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僕の周りには変わり種が多い
横浜騒乱編
第25話 迎撃チーム
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通常の小銃だったので、障壁魔法でも対処できるものだ。
新手もあらわれなくなり、敵の攻撃も散発的になりはじめて、深雪がビルの陰にと呼びかけてきたので、目視される可能性のある敵を一掃してから、集まった。

「七草先輩がヘリで迎えにきてくれるそうよ。市民の脱出用とは別に、わたしたちが脱出する為のヘリも用意してくれたみたいね」

ヘリのローター音がきこえてくるから、迫ってくるのはわかるが普通では目視できない。プシオンを感じるからこそ、そこに誰かが数人空中にいるということがわかるだけだ。正確にいえば、振動系魔法の魔法式も観えているから、ほのかの光学振動系魔法なんだろうが、大部分の魔法師でもわからないレベルでの光学系魔法の迷彩だ。

ヘリが着陸できないとのことで、ロープがたらされたので、それにつかまってヘリに搭乗したが、少しばかり上昇したところで、気分が悪くなってきた。死んでいった魂に付随して上って、魂が消えた層としてプシオンがたまっているのだ。

魂に付着していただけあって、人間の生存欲に関するプシオンだから、その執着心に気分が悪くなる。達也がこのヘリの周辺で飛んでいるようだからこちらは安心だろうと、プシオン感受性をさげることにして、上級生の迎撃チームへ向かうことになった。

上級生の警護チームを迎えにいったつもりのヘリでは、そのあたりで戦闘が続いていることにより、すぐには脱出させることは無理だとヘリ内部では判断していた。

七草先輩からは、

「千葉警部がいないわ」

うーん。エリカの兄だから魔法師だろうし、達也は直接手出しするつもりはないのか。CADに登録している魔法からこの場で使えそうな魔法を思い浮かべ、

「『叫喚地獄(きょうかんじごく)』と同じ結果のでる古式魔法をおこないますが、先輩たちを中心として600m四方に高さ30mでおこなってもかまいませんか?」

「そうしてくれる」

周りからは規模の大きさに呆れたような視線を感じるが、非魔法師を一機に対処するなら、これが一番楽なだけだ。大亜(ダイア)連合との戦争が終わっていない以上、念のためにと教えてもらっている魔法だ。とりあえず、この気持ち悪いプシオンの層の中にいたくなかっただけだ。
叫喚地獄(きょうかんじごく)』は発動して30秒から1分をかけて、設定された範囲内の液体を加熱させていく魔法だ。しかし、情報強化をされている魔法師には効きにくい魔法のひとつではあるので、実際にためしたのは、師匠が感触を確認してくれた時だけだ。
なので、今回の魔法は火精結界の内部に火精を呼んで、干渉強度をさげさせている。結果、その領域内にいた一般人は、眼球を白くにごらせた死体としてころがることになった。

その光景をヘリの中で見たのは「マルチ・スコープ」を使う真由美のみだったが、
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