暁 〜小説投稿サイト〜
Bistro sin〜秘密の食堂へいらっしゃいませ〜
罪と罰.1

[8]前話 [2]次話
.1
 とある水曜の夜。満月が遠く、街を照らしている。
時間はまもなく、0時を迎えようとしていた。空気が凍えている。
街が静かに眠りに就く中、静かな足音だけが響いていた。

 賢太郎は指示通り、廃工場の隣にあるゴミ収集所で待機していた。
耳には赤外線の無線機を付けて、次の指示までジッと息を殺していた。
その時、耳の無線機から音がした。『ジジッジーッ…賢太郎、聞こえるか?』
東の声だ。
『もうすぐターゲットがそこに来る。いいか、お前はなるべく動くな!京極さんや、平泉が仕事を進める。お前は指示があるまで、そこで待機していろ。』
そう言われた直後、『ガシャーン!!』と何かが崩れる音がした。

「おいコラぁッ!何処に隠れてんだ、あぁ!?呼び出したんだったら姿見せろや!!」
どうやら、ターゲットが来たらしい。

賢太郎は、言われた通りに待機していた。
間もなくして、京極が姿を見せた。

「よく来たな…。」
「おいジジィ!てめぇ一人だろうな?」
「もちろんだ。」
「…とっとと持ち出したもん返してもらおうか?」

どうやら、何かを盗み出してここへ来るように揺すったらしい。
僅かに街からの明かりで照らされた薄暗い空間に、京極とターゲットが対峙していた。
だがおかしい。
4人のはずのターゲットが、3人しかいないのだ。

賢太郎が気づいたとき、恐らく京極もそれに気付いていた。
静けさの空間には、殺意が立ち込めていた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ