暁～小説投稿ｻｲﾄ～:Bistro sin～秘密の食堂へいらっしゃいませ～罪の食堂.4

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Bistro sin～秘密の食堂へいらっしゃいませ～

罪の食堂.4

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　賢太郎の胸は、ひどく締め付けられるように苦しかった。
その時、嘗て自分が殺しかけた相手を思い出していたからだ。
憎しみや、最愛の母を殺された時の記憶が一度に思い返されて、胸がいっぱいになった。

　平泉が話した仕事の内容は、とある依頼人からの復讐の依頼だった。
闇金からの高額な返済に、首が回らなくなって自殺まで追い込まれ、保険金で返済をさせられた母親の復讐。
その依頼に、賢太郎は自分を重ねていた。

平泉は順序良く、仕事の手順を述べていく。
ターゲットは4人。中でも、沢城と言う男は今までに何度も人から金を巻き上げて
罪をなすりつけて生き抜いてきた、正真正銘の悪党だ。

平泉の表情にいつものような笑顔はない。
決行の時間は、深夜0時。

平泉はそれぞれに見合った仕事を、そして賢太郎には自分と同じく
前線に出て働くことを任せた。

　小次郎は任された特別な仕事をする為に、先に準備に取り掛かるために店を出た。
他の者達も、順に店を出ていく。

数時間後に、賢太郎に一本の電話が入った。
藤田からの作戦行動の指示だった。

そして時間は刻々とその時へと近づいていく。

夜も老けて、月明かりだけがその者達の動向を見ているのだった。

Bistro sin《罪の食堂》の仕事の時間がやってきた。

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