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俺の名はシャルル・フェニックス
盗人と不死鳥
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ろう。

相手はレーティングゲーム(実物)の経験者だろうからな。

いくら子供ってなめてるからって無策で突っ込んでくる愚はおかさねぇだろ。

それにヴィレーネの眷属は速攻に向いてねぇ。

速さが足りてねぇから。

だから、じっくりいきましょうかねぇ。

「相手の本隊は森を避けて東か西のどっちかのルートを通るはずだ」

この森林のフィールドは中央に森があり、東と西の両端に戦える程度の広さがある草原がある。

敵は遠距離攻撃が得意。

森の中では木が邪魔で敵の眷属の半分以上がまともに戦えねぇ。

だから、別動隊が少数で来るか、罠を仕掛けるだけで終わるはずだ。「だから、主戦場はどっちかか、はたまた両方か。
まぁ、来るなら両方に分けてくるだろうな。
俺達ナメられてっから」


ただでさえ俺を含めて5名と数が少ねぇんだ。

とれる方策は東西どっちかのルートに全戦力を傾けて突破そして本陣を急襲か、東西のルートを無視して森を通り罠を掻い潜って本陣を奇襲のどっちかしかねぇ。

相手もそう考えてるはずだ。

「敵が本陣に引きこもりになるのはー?」

お茶を啜り、菓子を食べながら理子が訊いてきた。

「それはねぇ。
フェニックス家やアンドロマリウス家よりも格上魔王様や公爵家の方々が見てっからな。
貴族としての面子を保つためには下手な試合は出来ねぇのさ」



貴族ってのは誇りとか面子とかを大切にするからな。

俺としちゃあ、んなもん掃いて捨てちまえって思うんだがな。

ここがリアスやソーナの言う貴族らしくないってところなんかね。

「ふぇー、悪魔ってのもてぇへんだぁー」

「理子ちゃんも悪魔だよ」

と白雪の冷静なツッコミが入り「てへっ」っと理子は誤魔化した。

「ま、だから、作戦は攻めてきた敵を無視するか、殲滅するかってのどっちかなんだが、まぁ、当然決まってるわな」

にやりっと獰猛な笑みで笑う。

さぁ、戦争はこれからだぜ。




◇◆◇◆◇

場所は変わり北側のヴィレーネの本陣にて。

ヴィレーネは笑いを堪えるのに必死だった。

側に控える男の騎士二人も同じような顔をしてる。

何故ならこのレーティングゲームは出来レースでしかないのだから。

悪魔の駒を貰って浮わついて現実を見れていない旦那様(お子ちゃま)が我が儘を言って起きたこのゲーム。

相手の数はたったの5人。

しかも全員が子供。

勝って当たり前、負ける可能性など微塵もない。

勝ちが確定したこのゲーム。

しかも、このゲームに勝てば噂のフェニックスの宝涙を作る旦那様に嫁ぐことができる。

それ即ち金の卵を産む鳥を飼ってるようなもの。


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