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俺の名はシャルル・フェニックス
狼煙と不死鳥
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は構わんが耳元で囁くな。擽ってぇ。

「うふふふ。そうだよね。シャルちゃんを奪う泥棒猫なんて火炙りにしないと駄目だよね。うふふ」

と、目の前のソファーに座る女王様が恐い目をして呟いてた。

こっちにも居たか。黒くて恐いやつ。

それに猫なら俺の後ろにいるぞ。

「くふっ、殺る気満々ですなぁー」

おい、外野目線で見てんじゃねぇ。

ぜってぇ、お前に一番キツい役回すかんな。

「つーか、理子てめぇ菓子食い過ぎだ。
没収だ、没収」

理子の前に置かれている菓子類の大半をひったくり、半分をじぃーっと欲しそうに見ていた恋に、半分を俺へと分けた。

「のわー!り、理子りんの栄養素が!?
うー!おーぼーだぁ!いじわるだぁ!」

ぐすんぐすんと嘘泣きをしながら片手を掲げて抗議。

子供かっ!って子供だわな。

11歳なんだし。

つーか、ここにいる奴らで一番の長者である黒歌でも16かそこらだからなぁ。

最近胸が大きく実ってきてその凶器でよく誘惑してくんだよな。

11歳に十八禁的なこと求めんなよ。

まだ毛すら生えてねぇんだぞ。

っと話がズレた。

「あんま食い過ぎてっとてめぇ吐くぞ。
一番忙しくする予定なんだから」

「うぎぃ!雪ちゃん!黒ちゃん!シャーくんがいじめるよぉ!」

うわぁぁんと嘘泣きしながら白雪に抱きつく。

ほかっとこ。

理子から奪った菓子の袋を開けようとしたその時、ちょうどタイミングの悪いことにコンコンコンと部屋の扉がノックされた。

「失礼します」

そう言って待機室に入ってきたのはメイド服を着たグレイフィアさんだった。

ニィッと口角が上がり、自分でもそうだと分かるほど獰猛な笑みを浮かべる。

なんたって最強の女王が目の前にいるんだ。

戦ってみたい、そう思うのは当然のことだろう?

「そろそろ時間ですので、皆さま、魔方陣の方へ」

そう言われたので、開けた菓子を口に突っ込み、部屋のすみにある魔方陣へと向かい、のる。

「良いゲームを」

と見送られゲーム用の異空間へと転移した。



◇◆◇◆◇



「どうだったかな?
シャルルくんは」

「はい。部屋に入った瞬間に――いえ、入る前から闘志を向けられました。
まるで鷹のような」

「ハハハハ、そうか。
面白い子だね。彼は」

「そうでしょうか?
ただ強がってる子供のようでしたが……」

「うん。そうだね。
彼は強がってる子供のようだ。
不安定で脆く儚い。
それでも強くなろうとしてる。
それに――」

「それに?」

「私は彼に勝負で負けたよ。
この前実家で彼にたまたま会った時にね」

「――!?」
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