暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第四話。超えてしまった境界線……
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行きでなってしまったものだ。
HSS……ヒステリアモードに至っては代々ご先祖様から受け継がれてきた厄介な体質だと思っているくらいだしな。普段の俺は。
だけど、その主人公に選ばれたから、ヒステリアモードを持っていたからこそ、アリア達武偵高の皆んなと出会えて、そして今、一之江やキリカとも仲良くできている。
今の自分、そして与えられた環境を精一杯好きになるように肯定していく。

うん、その生き方はとても楽しそうだな。

「音央は凄いな」

「え、何よ突然。気持ち悪いわねっ、バーカ!」

クスクスと笑いながら俺を見る音央。
夕焼けに輝く、その濃い茶色の髪はなんだか神秘的な雰囲気を出していた。
そして、不思議な事に……。

______どうしてか、夢の中で見た少女の面影が重なった。

あの子も確かに神秘的だった気がしたが、音央とは性格は似てない気がするのに……。

「何よ、あたしの顔をマジマジ見たりして。もしかして惚れた?」

「うん。惚れ惚れする顔なのはたしかだね」

「褒めても何も出ないわよ」

「それは残念だな。今のは、夢の中に出てきた子を思い出してたんだ」

「うん? あたしが出たの?」

「うーん、残念ながら違うね。
夢の中の子はいかにも清楚! って感じだったからね」

「清楚キャラじゃなくて悪ぅございましたねー」

「元気で強気な音央のキャラも気に入ってるから、それはそれでいいさ」

「あははっ、あんたの為じゃないけど、解ったわっ」

うーん、顔も思い出せないけど、どうしてだか似てるという気がするなぁ。

「そういや、あたしも最近変な夢を見るのよね」

「え? そうなのかい?」

「ハッキリ覚えているわけじゃないんだけど、あたしが、知らない部屋にいるの」

「男と?」

「男女問わず、ね。たまに見る夢なんだけど、一緒にいる人はちょくちょく入れ替わっていく感じ」

「へえ……」

似たような夢、同じような夢を見る事はあっても、夢の登場人物がちょくちょく入れ替わっていくなんて変わってるな。

「なんだか知らないけど、悲しい気分になる夢でね」

「うん」

「あたしは、その人とずっと一緒にいたいのに、必ず『別れ』があるの」

「『音央の部屋』にはタイムリミットがある、みたいな感じか」

「そうそう、ずっと一緒にいちゃいけない、みたいな。それでお別れするとぎゅううっと胸が苦しなって目が覚めるの。起きたら泣いてる事もあったりして」

ふむ。詳細はよく解らないがそれはそれで何か意味がありそうな夢だな。
俺が見る夢とは真逆な感じだが……。
もの凄く気になる夢だね。
うん、帰ったらキリカに聞いてみるか。

「大丈夫だよ、音央」

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