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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第20話 ガンナーズ
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んな中隊長機に通信機越しに非常に年若い、徴兵による速成プログラムを終えたばかりであろう年齢の少年の声が届いた。

『なら何度でも挑んで来い、だけど限定的とはいえステルス性を備えたこの機体に勝つためにはどうすればいいか考えてこい――――俺たちはその為に存在している。』
『―――見てろよ、次こそは吠え面を?かせてやる。』

『その活きだ。―――いいか、帝都は日本の中枢。いわば心臓だ。それを守るのは直衛の守備隊だけじゃない。お前たちもその一柱なんだ俺らごときを下せないようでは、帝国衛士の名が泣くぞ』
『若造が知った口を利く。』

 マリダリン01、不知火のような最精鋭を与えられるほどの腕前じゃないとはいえ後方では最高峰のF-15MJに搭乗を許された歴戦の猛者である彼はその訓練兵上がりとは思えぬセンスを見せるガン03に対し苦笑を含ませた声でいう。

『俺じゃない、兄の言葉だ―――俺の名前は、柾 晄。斯衛の黒き虎王の弟だ!』
『柾 晄覚えたぞ……今度はお前ら”纏めて”相手にしてやる。』



 F-15MJ陽炎の鈍色の機体が視線を巡らす、そして周囲いから集まってくる漆黒の不知火たち―――何れも組みあい角と桔梗の紋の有無を除けば同一。
 通常、露軍迷彩を施された機体により仮想敵役(アグレッサー)を務める最精鋭部隊、富士教導隊。

 今、その部隊に配備された鋼鉄の甲冑は不知火のアップグレードモデル、不知火壱型甲であり、その身に纏う色は漆黒―――最新の電磁波吸収塗料。
 果たして、その意味は仮想敵である西側共産主義諸国がステルス機を用いての状況を想定したものか、はたまた現在唯一ステルス機の実用化に成功した国が含まれるようになったからなのか。

 それに答える者は誰もいなかった。

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