暁 〜小説投稿サイト〜
剣の世界の銃使い
世界は狭い
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
50層アルゲード、ここは何時来ても《猥雑》という言葉が当てはまる場所だと思う。人で溢れかえったこの層は現実世界での都市を思い出させるが、今となってはどっちが現実かも分からなくなってきたな・・・。
俺はここで人を待っていた。そろそろ待ち合わせ時間だが、一向に待ち人が現れる様子がない。待ち合わせ場所に設定したのは、転移門から近い場所なので迷うことはないはずなのだが。

「レイトさーん、お待たせしました!」

こちらに近寄ってくる彼女は半年位前から付き合っているシリカ。俺も声を返そうとして、隣にいたプレイヤーを見て顔をしかめた。

「なぜ、お前がいる・・・?」

「なぜってやだなぁ、途中であったからですよ、先輩」

シリカの隣にいたのは元藍椿のメンバー、レナ。なるほど、レナが着いてきたから遅れたのか。

「で、なんで着いてきたんだ?」

「シリカちゃんに聞いたら、たぶん行き先同じかなと思いまして」

今日は、少し前からシリカと話し合っていたことを実行するために、ある場所に行く予定だったのだが。レナも同じ場所に用事があったのか。まあ、彼女の職業上不思議ではないが。
この半年で、シリカとレナはかなり打ち解けていた。シリカ位の年頃の女性プレイヤーが少ないこともあって、週に2,3度会いに行ってる程度まで親睦を深めていた。

「それで、先輩たちは何か買いに行くんですか?」

「いや、今日は売るだけだな」

「他にちょっと買いたい物があるので」

俺とシリカが交互に言うと、レナはへぇと一言呟くと、

「婚約指輪ですか?もう二人もそこまで行ってたんですねぇ〜」

「違います!!」

シリカが顔を赤くしながら反論する。だがそれ、レナには逆効果だぞ?

「付き合ってもう半年ですもんね、いやーおめでたいですなぁ」

「だから、違いますって!!」

そろそろ止めるか。あいつが暴走すると止まるところを知らない。レナには別に教えても構わないしな。

「シリカ、レナに教えてもいいか?」

「あ、いいんじゃないでしょうか。レナさんになら別に大丈夫ですし」

一応シリカに確認を取ってから、レナに俺らが買おうとしているものを伝ようとしたのだが、

「おっと、もう着いたか。その話はまた後でな」

「やはり、同じ場所でしたね」

目の前の扉を開けて店の中に入る。夜に入ったばかりなので、店の中は客で混雑していた。その中で商談をしている店主を見つけると、商談が終わった頃を見計らって話しかける。

「おっす、エギル。買い取り頼めるか?」

「お、レイトか。お前がこんな時間に来るなんて珍しいな」

「え?レイトさんって何時も何時ごろ来てるんですか?」

「へぇ、レイトに連れがいるとはな。これまた
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ