第十話 魔術サイドとの邂逅
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黒服の男性が歩き出すと三人がそのままついていくので俺も慌てて後を追う。エレベーターホールで三人に追いつき、エレベーターが来るのを待っている時、何だか後ろから視線を感じたのだが、振り向いてみても付近には誰も居なかった。
「そいつも俺の連れだぜい」
「そうでございましたか」
後ろの方に気を取られていたので気付かなかったが、どうやら黒服の男性は俺のことを『迷子の子供』だと思って帰らせようとしていたようだ。
エレベーターで6階へ上がり、曲がり角の多い通路を歩き、一番奥の扉の前に到着した。
「こちらでございます」
ホテルと言うには部屋の配置とかがおかしいような気もするが、やはりホテルということなのだろう。カードキーで部屋の鍵を開け全員が中に入ると黒服の男性が「それでは、ごゆっくりどうぞ」と言って出て行った。っつか、あの黒服、どう見てもSPかマフィアにしか見えない。
「すげぇ」
思わずつぶやく。部屋の中は何というか……豪華で広かった。政治家とかが会談を行い握手しているのを撮影する場所みたいだ、と言えば分かりやすいだろうか。学校の教室よりはもう少し広いだろうという部屋で、下の絨毯もかなりふかふか、中央に置いてあるテーブルは欅の一枚板だろうか、その両側には長くて大きなソファーが置かれていて、上座である一番奥のソファーは一際高級そうに見えた。
「さて、このサロンをねーちん達の活動拠点にしてもらうにゃー」
土御門さんがそう言いながら長いほうのソファーに座った。って、ここはサロンだったのか……いや、それ以前にサロンってどういったものなんだろう。日焼けサロンっていうのは聞いたことがあるんだけど……。
「こんな場所を用意してもらって本当に良かったのですか?」
「もちろんだにゃー」
神裂さんとステイルは土御門さんが座った反対側のソファーに座った。
「神代も座るといいぜい」
「あ……はい」
土御門さんに言われて俺も土御門さんの隣に座る。
「それじゃー、改めて紹介するぜい。魔術師のステイルと……」
「おいっ! 土御門!!」
さらりと魔術師発言した土御門さんを慌ててステイルが制止する。
「大丈夫だぜい、こいつは魔術の方面も知っている」
「そ……そうなのか?」
「はい。とは言っても、……こちらの魔術に関してはこの前聞いたばかりですが」
ステイルに聞かれて答えるが、一瞬「この世界の」と言いそうになってしまった。まぁ、ごまかす必要はないのかもしれないが……。
「で、こっちのねーちんが聖人だにゃー」
「成人? あー、ちょうど二十歳ってことですか」
いきなり聖人を理解してるのもおかしな話だと思ったの
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