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とあるの世界で何をするのか
第十話  魔術サイドとの邂逅
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ている辺りからだったはずだ。その時は、フロントの従業員からも少し不審な目で見られていたので、その気配自体を特に意識はしなかったのだ。しかし、ビルを出てしばらく歩いてもついてきているし、角を曲がったところでもついてきている。ついでに看板の前で立ち止まってみると、その気配も立ち止まる。

 どうやら俺を尾行しているのだとは思うが、この辺は高級そうな店やビルが建ち並ぶ区画で、捲くことも裏路地に誘い込むようなことも出来そうにない。というか、俺にはこの辺りの土地勘がないのだ。

 取り敢えず、俺が尾行される理由というものを考えてみる。俺がこの学園都市に来てからまだ3週間経ってない、知り合いと言えば土御門さんをはじめとするグループの人達と、あとは神裂さんやステイルぐらいのものである。あ、あとアレイスターも一応知ってはいるか。他には黄泉川さんが俺のことを知っているはずで、風紀委員177支部の面々は俺のことを郵便局強盗の被害者の一人として知っているかもしれないが、会話をしたこともないし知り合いになったというわけではない。逆に会話をしたことはあっても、ファミレスとかコンビニの店員やセブンスミストの店員は、知り合いという範疇に入らないだろう。

 今挙げたメンバーの中では黄泉川さん辺りが一番可能性が高いだろうか、とはいっても生体データ識別反応では該当者が居ないので、黄泉川さんだとしたら何かで俺のことを怪しいと思って、アンチスキルの尾行をつけさせたという感じだろう。だが、今のところ俺は暗部としての活動をしていない。というか今日、神裂さんとステイルを迎えに行ったのが初仕事だ。それを考えるとアンチスキルが俺を尾行する理由というのも思いつかない。

 もしかしたら神裂さんやステイルと一緒に居た、ということで尾行されているのかもしれない。そうなると魔術サイドの人間の可能性も出てくるが、神裂さんやステイルに尾行をつけるならともかく、俺にまで尾行をつけられるほど魔術師陣営の人間が学園都市内に居るとは到底思えない。実はかなりの人数の魔術師が学園都市に入り込んでいる、ということがあったりするのだろうか。

 歩きながら30分ぐらいは考えただろうか、結局答えなど出てくるはずもなく、かといって放置するのも気持ち悪いので、俺は行動に出ることにして人通りの少ない道路で立ち止まったのである。

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