暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
GGO編
八十八話 鉄火場
[1/7]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「さってと……どうすっかねぇ……」
リョウは迷っていた。
選択を……では無い。人生に……でも無い。
最も一般人が陥りやすく、おそらく人生で一度は迷うであろう物……道にだ。

「そもそもブリッジってどっちだっつーの」
今回の任務の主要目的は、このGGOのどこかに居る筈の《死銃》に接触、後、彼の銃撃によるリアルプレイヤー死亡のメカニズムに関する調査だが、そのためにはまず、死銃と接触しなければ話にならない。そのために、和人は涼人にある提案を持ちかけて来た。
BoB(バレッド・オブ・バレッツ)と言うこのGGOにおける最強プレイヤー決定戦に参加し、上位に……あわよくば優勝する事で、全力で目立とうと言うのである。
死銃が銃撃しているのは全員がトッププレイヤー。つまりこの世界の最強に近付いてみれば、死銃自ら此方に注目し、アプローチしてくるだろう。と言う算段らしかった。あわよくば、死銃本人が、その大会に参加しているかもしれない。とも。

まぁ実際の所、その計画はほぼ間違いなく破綻するだろう。とリョウは踏んでいた。
BoB予選の開催日は今日だ。その日にダイブしたゲームでその日の内に装備を整えその日の内にトッププレイヤーの内に(あるいはそれを目指す物たちの中に)もぐりこんで戦りあおう等、正気の沙汰ではない。
大体、参加云々以前に初期金額の1000クレジットごときで装備を整えることすら出来るか疑問なのだ。大会など夢のまた夢だろう。

「おまけに……エントリーへの道まで見失ったと来たもんだ。こりゃもう、てっとり早く死銃に会うのは諦めた方が良い感じかもな……」
一応、今日一日に限ってはキリトの気まぐれに付き合うつもりで居た。それ以外にする事は思いつかなかったし、現実性云々は別として、確かに的を得ていると言えなくも無い案だったからだ。
と言うわけで先ずは互いに装備を整えることから始めようと、不盾に分かれて武器屋を探して……入り組んだ地形のせいで見事に迷った。

「路地にゃ入るもんじゃ無かったか……」
裏通りの方が面白いものが有りそうな気がして、路地に入った結果がこれだ。勘弁してほしい物である。と、歩き続けた細い道の先に、ほんの少し広めの道が見えた。

「おっ、救いの光?」
大した期待もせずにその通りに出る。案の定大通りに続きそうな物ではなく、本当に少し大きいだけの人通りの無い裏通りが続いているだけだった。

「やれやれ……んん?」
と、リョウの視界にやたらと派手な建物が映った。
こんな人気の無い通りだと言うのに、その店はまた凄まじいネオンライトの看板を掲げて、そこにはcasinoと書かれている。

「ふーん……マジであんのな」
このゲーム、GGOには、通貨還元システム。と言うのが有る。
ゲーム内通過を現実の通貨に。あるいは現実
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ