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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十八話 別れ
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列者はテスタロッサ家、ハラオウン家、なのは、エイミィさん、俺と前々日に話をした面々のみ。

 アリシアはフェイトの部屋にあった写真と同じように水色のワンピースとリボンを身につけ、棺の中に横たわっていた。

 それぞれが棺に花を手向け、俺は守り刀と宝石を花と共に棺に納める。

 宝石は魔力は籠っていないし、守り刀も大した概念もない。
 だが彼女が誰かの手によってその眠りを妨げられないように祈りを捧げる。

 そして、プレシアが花を手向け、アリシアの額に口づけをする。
 フェイトも同じように花を手向け、額に口づけをした。

 フェイトにとって言葉をかわすことがなかった姉妹。
 そして、俺達にとっては友達になれたかもしれない存在。

 それぞれが静かに涙を流す。

 何度経験しても誰かのとの別れというのだけは慣れることがない。

 棺の蓋は静かに閉められる。
 そして

「―――同調、開始(トレース・オン)

 棺の下に魔法陣が浮かび上がる。
 円の中に六角形の星がありその角にほそれぞれ円がある。
 そして俺の手に握られる六本の火葬式典の黒鍵

 火葬式典を使えばアリシアの灰すら残らない。
 だがそれがプレシアの願いだった。

 俺はその円に黒鍵を突き立てていく。
 黒鍵が最後の一本になった時

「待って。
 私が…………するわ」

 プレシアが静かに一歩踏み出した。
 俺は黙ってプレシアに黒鍵を渡す。

 黒鍵を持ち魔法陣の前に立つプレシア。
 だがその黒鍵を持つ手は震えている。

 そんなプレシアを支えるように

「母さん」

 フェイトがプレシアの傍に立ち手を重ねる。
 そしてフェイトと共に

「プレシア、あんたがフェイトにしてきた事は許せない。
 でもあんたの気持ち、少しはわかるから」

 アルフが手を重ねた。

「……ありがとう。フェイト、アルフ」

 プレシアは瞳を閉じ、ゆっくりと深呼吸をして

「……おやすみなさい、アリシア」

 黒鍵は突き立てられた。
 三人の手がゆっくりと黒鍵から離れ、一歩下がる。

 黒鍵の刀身が輝き炎が溢れ、魔法陣の中を埋め尽くす。

 魔法陣の中で燃え上がる赤い炎。

 ここにアリシアは本当の眠りについた。
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