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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第11話:理性と欲望のバランス
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てくれた事に感謝してるよ。でも娘を持つ親の一人として、お前等の行おうとしてた事は理解しがたい。ちょっと想像してみぃ……自分が父親だった場合、自分の娘がレイプされる、もしくはされた時の事を」

私も娘を持つ父親だ……
既に結婚してるとは言え、ドリスがレイプされたらと考えると憤りを感じる。
ピピンが付き合ってると報告してきた時は、多少の殺意を憶えたほどだ。

「これはアレか? 我が国では義務教育として“ナンパ”を導入するべきか? それとも“レイプはダメだよ”って子供達に教え広めなきゃならないのか?」
不機嫌な表情のリュカは、誰に問う訳でも無く語りかける。

「こんな事のないように、僕は一部地域でハードコアな風俗も承認してるんだ。金さえ払えば犯罪者にならずに済むよう、性欲の捌け口を用意してるんだ。なのに……」
10年以上前だが、当時の大臣等とリュカの間で衝突があった。
卑猥で下品な職の容認をしようとするリュカに、私も含め誰もが難色を示したのだ。

だが結果として、国内の性犯罪の発生数が激減。
更に新しい需要が生まれ、経済活動も活発になり、今では廃止する訳にいかない状況になっている。
しかも実際に事をするホステスあるいはホストは、かなりの高給取りであり、人気の職業へなっている。

奴隷経験のあるリュカは、彼等・彼女等を奴隷化させない為に、幾重にも法令を定め、その取り締まりにも力を入れている。
彼等・彼女等を働かせてる側も、リュカが送り込んだスパイの存在が怖くて、法令を遵守するしかない。

実際にある店が低賃金で女性を働かせてた事がある。
地方出身の女性は無学だった為、店側の言う事を鵜呑みにし疑問にも思わなかったそうだ。
リュカの放ったスパイに実態を報告された店主(男)は、怒り狂ったリュカに両腕と両足をちぎり取られ、下顎をもぎ取られ、更には男性器を切り取られ放追された。
それを見せしめとして風俗街のド真ん中で行った為、近隣の店主は青ざめ法令を遵守する様になったのだ。

そんな事をする男が、自身の娘のレイプ未遂の事で不機嫌そうに苦い表情をしているのだ……目の前の連中にしてみれば、許して貰える事より一層一思いに殺して貰える事を望んでるかもしれない。
一体どんな処罰を考えているのか……

私やウルフの下には始まる前に、連中の上司から寛大なる処遇をリュカに嘆願して貰える様泣き付かれた。
私は『そうは言われても、陛下がどの様な処罰を決定するのか判らぬからな……何とも言えんよ』と、その場を濁す発言をしておいた。

しかし今にして思えば、ウルフは薄々気付いてたのかもしれない。
そんな連中を一瞥すると無言のまま自身の執務室へ入っていったのだ。
まるで“リュカさんの激昂を誘うなんてゴメンだ”と言わんかの様に……


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