暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第21話 「ユーリとお出かけ その3」
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ってやったりしてそうだし……あいつって本当に苦労人だな。シュテルにからかわれ、レヴィの面倒は見なくちゃいけないわけだから。

「今日ここに来た理由もここのお菓子を食べに来たんだ。まあ王さまから頼まれたってのも理由だけど」
「ディアーチェに頼まれた?」
「うん、ユーリがひとりでショウの家まで行けるか心配だから暇ならついて行けって。でもユーリはひとりで大丈夫って言ってたから一緒に行くわけにもいかなくてさ。だからこっそり付いて行ってたんだ」

 あぁ……ディアーチェなら言ってもおかしくない内容だな。
 それにしても、ディアーチェはレヴィのことを意外と信頼してるんだな。正月のときはじっとしてろって言ってた気がするけど、今はもう独りで行動することに何も言ってないみたいだし。俺からするとユーリをひとりで行かせるよりレヴィをひとりで行かせるほうが心配なんだけどな。

「ショウの家に到着したのを見てからはそのへんをぶらっと回って、公園でサッカーしてる子達が居たから一緒に遊んだ」
「……知らない子だよな?」
「うん」

 ……いやまぁ、年齢的に知らない子に一緒に遊ぼうと言えてもおかしくはないけど。でもレヴィほどやれる奴はそういないよな。なんて考えてる場合じゃない。

「そっか。ところでレヴィ」
「ん?」
「ちょっとでいいからユーリの相手してくれないか?」
「うーん、うんいいよ」

 レヴィは緩みきった顔のまま、ある意味暴走しているユーリへと近づいていく。彼女はユーリの背中側から接近すると、引っ付きながら抱き締めて頭の上に自分のあごを乗せた。突然の事態にユーリが体を震わせたのは言うまでもない。

「今日は元気だね〜」
「あれ? 何でレヴィがいるんですか?」
「それはね、ここのお菓子食べに来たんだよ。ここのお菓子はすっごく美味しいからね。ユーリも食べたら?」

 ふたりから発せられる雰囲気はとても穏やかだが、会話の内容次第で一瞬にして崩れかねない状況でもある。
 ――レヴィは話を振られない限りディアーチェのことを言うことはないだろうが、聞かれればすぐに言ってしまう。そうなれば、子ども扱いされたことでユーリの機嫌が悪くなる可能性は大だ。見ている身としては精神的に来るものがある。

「確かに少しお腹も空いてますし、レヴィから話を聞くたびに食べたいなって思ってたんです」
「うんうん、来たのに食べないのは損だからね。それにユーリはもっとたくさん食べないと。じゃないと大きくなれないぞ」
「む……これでもちゃんと食べてます。レヴィが食べすぎなんですよ。というか、何であんなに食べて太らないんですか?」

 確かにレヴィは俺の数倍は食べる。しかし、体型は至って普通だ。
 レヴィの食べる量を知っている身としては、なぜ太らないのか疑
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ