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101番目の舶ィ語
第九話。世界の歪み、人の認識?
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が立てば俺は学校どころか、街中すら歩けなくなるぞ。

「さて。ハゲをからかうのはこれくらいにしてサクサク話しを進めますので質問は後回しにしてください」

「……」

(ハゲてねえよ!
と突っ込み入れたいが後にしてやろう。
話が進まないからな)

一之江は俺に向かい合うように座席に座ったまま、無表情の口で語り始めた。

「まず、『ハーフロア』についてです。
そうですね、例えば……『口裂け女』という都市伝説をご存知ですか?」

「ああ、それなら知ってる。べっこう飴とか、ポマードとか嫌いなヤツだろ」

「ええ。大きなマスクをした女性が、子供に『私綺麗?』と尋ね、『綺麗だよ』と答えると『これでも綺麗かしら?』と、マスクを取る。そこには、耳まで裂けた口があった。
というようなお話です」

「ええっと、なんだっけ、ニュースにまでなったから、色々配慮されて都市伝説としても、語られなくなった、みたいなヤツだよな?」

そうやって消えていく都市伝説もある、って事だよな。
ああ、という事は都市伝説が実体化した『ロア』も消えていくのか、と考えていたら、一之江は表情を曇らせて、静かに語り始める。

「ええ。ただ、我々ハーフロアの恐ろしい所はここからです。我々は『世界』の認識が歪んだ所から発生します」

「……認識の、歪み?」

「綺麗な女性、ここではAさん、と名付けましょうか」

「ああ」

「Aさんが、たまたま大きなマスクをして歩いていたとします。そして、それを見た心ない子供が、その女性を見て、『あ、口裂け女だ!』と言ったと仮定します」

「それは失礼な話だが、子供なら……まあ、言いかねないな」

何を言うのかわからないのが子供達だからな。相手に対して失礼な事も平気で言っちゃったりするだろう。

「はい。それが子供達の間だけで広がるならば、大した問題ではありません。ですが……その噂を聞いた学生や大人が『この街には本物の口裂け女がいる』と噂し、そして広め始めたとした場合」

一之江の口調はほとんど変わらない。ずっと淡々と、感情を込めずに語る。
それが妙な恐怖心を煽っているんだが、一之江は解ってるのか?

「やがて、Aさんを見て『口裂け女』だと言う人が増えていきます。多くの人々から、Aさんはもう『口裂け女』の体現として認識されたわけです。そしてその結果……Aさんは『口裂け女のロア』になってしまいます」

「ちょ、ちょと待て!」

「待ちましょう」

一之江は淡々と語ったが今の話には致命的に怖い部分が含まれている。
Aさんは元々普通の綺麗な女性だ。それが、たまたま悪ガキの一人に『口裂け女』と呼ばれてしまう。きっとAさんは「全く失礼な子ね」と思っただけだろう。
だが、その子供が噂を広め
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