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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十二話
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から来た《心意系自在式》が僕に通用しなかった理由を教えてあげよう。
 キミのその自在式はね、本来ならば《心意系》ではなく《精霊系》なんだ。それも、『被使用型』のね。キミのその力は、『使う』のではなく『使われる』ことによって効果を発揮する。
 なぜならば、キミは僕の《代替》であると同時に――――《惟神》だからだ」

 それを眺めながら《主》が口にしたのは、耳を疑うような真実。

 《惟神》が何なのか、今一想像がつかないが、恐らくは異能の類。先ほど《主》が衝撃波を打つ際に呟いていたのも同じ言葉だったため、術の名前なのだろう。

 だとしたら――――シャノンは……陰斗は、そもそも人間や人外などではなく、『技能』に分類されることになってしまう。

「ふ、ざ、けるなぁぁぁぁぁっ!!」

 彼がそれを良しとするわけがない。ボロボロの体を擦切らせながら、双巨剣を振るって突撃する。

「お兄様! 駄目です! やめてぇぇぇぇぇっ!!!!!」

 刹那が悲鳴を上げる。が、シャノンには全く聞こえていない。

 そして――――事態は結局、《主》が思うがままに動いてしまった。完成してしまった。

 シャノンの首を、《主》の小さな手が締め上げる。十五歳程度の彼の小さな体のどこにあれだけの力が眠っているのか分からないが、凄まじい力だ。

「ぐ、がはぁ……」
「戻っておいで、僕の代替。もう君に用はない」

 ああ、そうだ、と、《主》は振り返る。
 
 そこには、完全に瞳が()()くなり、表情から感情が抜け落ちたガラディーンが立っていた。

「ガラディーン、あいつら潰しといて」
「はい」

 あれほど嫌っていた《主》の命令に、素直にしたがうガラディーン。しずしずと彼の横を通って、セモン達の元へと歩んでくる彼女をしり目に、《主》は最後のトリガーを引いた。

「さぁこれで、もう誰も君を愛さない。君は一人だ」
「あぁ、あ……嘘だ……違う……! いや……僕は一人でも……!」
「いいや違う。そして不可能だ。 戻っておいで、僕の代替。僕の元でだけ、キミの意思は解き放たれる――――さぁ、おいで。
 『――――《惟神》――――
    《自我の太陽(Egoismum-Die-Sonne)》』

 その祝詞が紡がれた瞬間――――

「ぁ、ぁ、あ、うわぁぁああああああアアアアッッッ!!!」

 シャノンの体が、溶けて消える。悲痛な悲鳴を響かせて、《主》の背後に立ち上り始めた何かへと、吸収されていく。

「シャノン!」
「そんな、馬鹿な……ッ!」

 セモンとハザードが口々に叫ぶモノの、しかし彼は戻ってこなかった。

 代わりに――――陽炎が、完成した。

 眩い光と共に、そこに巨神が降臨した。太陽
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