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転生赤龍帝のマフィアな生活
三十五話:平穏と新たな厄介事
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今まで気にもしなかったが世間一般で言えば間違いなく可愛いと言える顔立ち。
あの男勝りだった女の子とは思えない程、女性らしくなった体つき。
………どうしようもなくイリナを異性だと意識してしまう。

ふと、気づくとイリナが近づいて来ていて俺のすぐ目の前に居た。
そして、俺の顔に近づくために精一杯、爪先立ちをし、そして―――チュッ

「えへへ……イッセー君の為に私の初めてをとってたんだからね?」

そうハニカミながらつい先ほどまで
俺の唇に触れていた自分の唇を愛おしそうに撫でるイリナ。
ああ……俺はイリナとキスしたんだな……ぼんやりとそんなことを考えるが
余りにも予想外の出来事が起こりすぎたせいか大して驚いてない自分に気づく。

「どうして無反応なの?……もしかして―――ホカノダレカトシタコトガアルノ?」
「今のが初めてだから、安心しろ。だからすぐにその殺気を抑えろ」
「そっかあ…私がイッセー君の初めてを貰ったんだ……ふふふ♪」

俺が初めてだと言うと嬉しそうに笑い始めるイリナ
危なかった……もし今のが初めてじゃなかったら間違いなく押し倒されて
殺られていただろうな……誤字じゃねえからな。

あ?本当に初めてかだと?当たり前だ。俺は今までそういった相手はいなかったんだ。
………ユニのは頬だったからセーフだろ……多分な。
それにしても、今のはドキドキした―――い、いや別にドキドキしてなんかねえぞ!
時間が経つにつれて嬉しさが出てくるなんてこともねえからな!?

「本当はイッセー君に私の全部を貰って欲しいんだけど
 ……それはまたのお楽しみにとっておくね」
「おい、俺に何させるつもりだ?」
「そ、そんなこと私に言わせようとしないでよね!イッセー君のエッチ!!」

恥ずかしそうにポッと頬を染めて俺の胸を叩いて来るイリナ。
今のは俺の失言だったかもしれねえが力の加減を少しは考えろ
叩かれた部分から嫌な音が聞こえる。

「……ねえ、イッセー君。イッセー君は私の事をどう思ってるの?」
「っ!?……そいつは………」

純粋な目で見つめられるのが耐えられずに思わず目を逸らしてしまう。
それにしても………俺はイリナのことをどう思っているんだ?

「ううん、やっぱり聞かなくてもいいや」
「あ?」
「イッセー君が鈍感なのは知ってるからすぐには答えが出せないことぐらい知ってるよ」

悪戯っぽく笑い背を向けるイリナ。

「それに今は私の事が好きじゃなくても―――必ず振り向かせて見せるから」

そう言って振り向きながら満面の笑顔で笑いかけてくるイリナに思わず見惚れてしまう。
少し、首筋が熱いのは時期的な問題だろう。断じて照れているわけではないからな?

「はっ……好きにしろ」

そっ
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