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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第六話 人の証、物の証
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ねば化石となる。だが、力は次の大精霊へと受け継がれる。〈生命〉は死しても〈存在〉は決して死なない幽世の住人。それが精霊だ」
「ああ、それね」
「そう、なんですか」
『セーレーってスゴイんだねー』

 アル、もっともらしく相槌打ってるけど、ほんとは分かってないでしょ。エレンピオス人のアルが精霊の死に方まで知ってるはずないもん。

「ほんで。ダンナの『イル・ファンの黒匣(ジン)に囚われた』って結論に着地する、と」
「兵器版〈クルスニクの槍〉はマナの略奪と吸収の装置だ。全身がマナで構成された精霊は一溜りもない。マクスウェルなど、高純度のマナの塊も同然だからな」
「ミラ様……」

 心配なんだね、イバル。イタそう。イバルはミラさま大好きなんだね。

「ミラたちを救出するには、どうあってももう一度〈槍〉の膝元まで行くしかないか」

 とうとう、来た。今日から〈フェイ〉は本当にいなくなる。フェイは〈フェイリオ=マクスウェル〉を演じるんだ。ラ・シュガル軍に、アルクノアに狙われるために。本物のミラさまが〈槍〉の中にいるのを隠すために。わたしが、代わりに殺しのターゲットに。
 がんばらなくちゃ。
 ちゃんとやらなくちゃ。
 パパがこっち向いた。目を見返した。コワかったけど。できるよ。やる。肯き返した。

「せっかく逃げて来たイル・ファンに逆戻りってワケね。しかも指名手配されてんのに。オジサンってばダイタンー」
「呑気に言ってる場合かね。君にももちろん同行してもらうぞ」
「冗談っ。契約はこの村までだろ? 報酬貰ってとっととオサラバさせてもらうっての」
「……まあ、君の同行については後で話し合おう。――マクスウェルがいない、頼れない現状は誰しも理解できたと思う。そこで一つ、私から提案がある」

 アルも、エリーも、イバルもいる中で、パパは「マクスウェル代役案」の説明を始めた。
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