暁 〜小説投稿サイト〜
日向の兎
1部
21話
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
これは相当な負担だな。予め身体中を保護しておいたにも関わらずこのダメージとは……八門遁甲が性能の割りに全くと言っていいほど普及していない理由を身をもって知る事になるとはな。
その上に負担を強いているというのもあるんだが……無茶を二つやるというのは今後は控えよう。
そもそも、第一門だけでも相当な負担なんだからな。
そう考えればリーの事も再評価しなければならんな。ここまでのダメージを追っても動きこそ鈍るものの取り敢えずの戦闘は続行可能であり、しばらく回復に専念すればそれ以上の体内門の開放を可能とするというのは脅威だ。
「さて、少年。君の体格やらおよその総チャクラ量から察するに君の基本的な性能は私達と同等、またはそれ以下のようだ。
しかしだ、君の上司か雇い主かは君の能力で私達の討てると踏んだのだから、小隊を単騎で潰せるだけの力を君は持っているのだろう。
となれば、多少の力量差をひっくり返す優位性が君にはある。察するに血継限界か何かを持っているのだろう?」
「…………あなたも、いえあなた達もですか」
「ああ」
「ヒジリ様!?」
「隠しても意味はあるまいよ。相手が理解していようといまいが、結局のところ私達のやることは変わらんだろう?」
「……確かにそうですが」
「なら構わんだろ。ではネジ、君は私と彼の戦いを観察しろ。能力を見極めるに当たって複数の視点があった方が便利だ」
「はい」
ネジは私の言葉に頷くと観察に専念するために姿を隠し、その場には私と少年だけが残された。
「さて、君も急ぐといい。私が体内門を開いた事で異変に気付いた私の担当上忍が帰ってくるぞ?」
「ご忠告ありがとうございます」
「どういたしまして、戦闘相手にも礼儀正しいのは実に好感が持てるな」
「性分ですからね」
少年は両手を合わせて人差し指に中指を巻きつかせるような印を結び、術の名を静かに私に告げる。
「秘術 魔鏡氷晶」
すると彼の周囲に冷気が漂い、私の周囲を氷の鏡が包囲した。そして、少年は鏡に触れるとスルリと鏡に吸い込まれてしまった。
「ほう、君は氷を扱うのか?となると風と水の性質変化の持ち主と言ったところか」
「これを見てもその余裕は崩れないんですね?では……これはどうでしょう?」
その瞬間、私の右肩の布が破れ皮膚には薄く赤い線は走った。どうやら千本で切られたようだが……全く捉えられなかったな。
リーの重り無しの走りよりも確実に速かった。あの身体でそういう動きが出来るということはこれが彼の術なのだろうが……鏡、超高速移動、そして鏡に吸い込まれた彼、分かっている情報はこの三つ。
ネジとのやりとりではこの速度を使わなかったことから、鏡が無ければこの動きは使えないと仮定しよう。
まず、鏡と超高速移動から連想するものは光だ。となれば
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ