暁 〜小説投稿サイト〜
劇場版・少年少女の戦極時代
天下分け目の戦国MOVIE大合戦
vs武神鎧武
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てあった長剣を持ち上げながら。

「振り切るぜ!!」

 咲が止めに入る前に――チャチャが草鞋でヒデヨシの後頭部を引っ叩いた。

「無茶じゃ! あたしはあんたを喪いとうない!」

 チャチャはヒデヨシの前に出て両腕を上げた。

「あたしと戦と、どっちが大事じゃ!?」

 男に言ってはいけない質問ベスト3に入る台詞を、チャチャは本気で夫に訴えている。この戦極時代で言うそれは、咲たちの世界の言葉とは根底から意味が異なっていた。

 咲は両手を握りしめ、決然と顔を上げた。

「お殿さまとチャチャさんは、ここからはなれて」
「! お前、まさか」
「うん。あいつらはあたしが足止めする。時間かせぐから、なるべく遠くに行ってね」


 ――いつもだ。舞も、武神Wも、ヒデヨシたちも、咲が巻き込んだせいでこうなった。咲は責任を取らなければならない。

 家臣がカーゴ車のエンジンを点けた。
 ヒデヨシはくっと咲から顔を逸らし、チャチャを横抱きにして共にカーゴ車の座席に飛び乗った。

「死ぬな」
「ありがとう」

 咲は震える拳をどうにか動かし、ドラゴンフルーツの錠前を開錠した。

 カーゴ車が走る音が遠のくのを聞きながら、深呼吸。腹の底から、武神鎧武に向けて吼えた。

「まだ武将ヒデヨシの武神はケンザイよ! ――変身!」
《 カモン  ドラゴンフルーツアームズ  Bomb Voyage 》

 炎の形をした果実が咲を鎧う。小さな咲の背が、目線の高さが上がる。

『あたしは武神月花! 武将ヒデヨシの二人目の武神よ! えーい――やあ!!』
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