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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第8話:ナンバー2
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議室から出て行ってしまった。
「あ……逃げられた……」

一早く冷静さを取り戻したウルフ殿が、リュカ陛下が出て行った扉を睨み呟く。
私は、どうすればリュカ陛下のお役に立てるのかを考える。
そして出した答えは、

「おめでとうございます宰相閣下」
と、リュカ陛下が決定した事柄を盛大に推奨する事だ。
私よりも年下な彼が、急に上司になるという事実を納得できない者も居るかもしれない。
そんな連中に解らせる為、私は明るく大きな声で祝辞を述べる。

「止めてよユニさん……俺がグランバニアのナンバー2なんて、何かの間違いだよ」
「いいえ宰相閣下。リュカ陛下が間違えるはずございません。リュカ陛下の人選眼は確かでございます。この人事はグランバニア王国にとって間違いなく正しい事なのです」

私は言葉の端々に『不平は許さない』と込めて、上司の出世を一際喜んでみせる。
「そうだね。ウルフ君がサポートしてくれるのなら僕も安心して王様になれるよ。これからもよろしくね、宰相閣下」

「ま、まだ宰相じゃねーし……今回の事が全部巧くいった暁だし……失敗するかもしれねーじゃん!」
「大丈夫だよ。ここに居る方々は皆さん優秀だ。父さんが信頼してるんだからね」
そうです。この場に居る者は皆リュカ陛下から信頼されてるんです。

「それに万が一失敗しても……ウルフ君の責任にはならないよ」
「はぁ? 何でですか? 俺は全ての事柄に関わるんですよ……大小あるでしょうけど、責任の一端は担わされるでしょう!」

「たかが秘書官にかい? 宰相になるのは未来の事であって、今はまだ秘書でしかないんだよ。失敗した責任は各省の大臣に帰するし、国王の責任も大きいんだ」
なるほど。つまり、ウルフ殿の出世を邪魔しようとワザと失敗しても、ウルフ殿は傷付かずその者だけが責任をとらされるだけなのですね。

「それにこの国は王政国家だよ。王様が絶対なんだ……もうウルフ君の出世は確定なのだから、邪魔をするより取り入りに行った方が良いよ。ね、みんな」
おぉ……偶に出るリュカ陛下の血筋パワー。
優しい笑顔で周囲を脅してます。

ユニSIDE END



(グランバニア城・国王主席秘書官室)
ウルフSIDE

基本的にこの家庭では夕食は一家揃って摂るのが通例だが、最近俺は一緒に出来ないでいる。
仕事が終わらず、帰宅が深夜になる事が多いからだ。
だから部下には早めに上がる様に伝えてるのだが、3人ともグランバニア城に住んでる為、俺に付き合い残業してくれている。

更にはマリーとリューノが気を遣って、俺と部下3人……そして自分達合わせて6人分の夕食を持ってオフィスに来てくれるので、今も有難くそれを戴いている。
それに時折、リュカさんが自腹(城下で身分を隠しアル
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