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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
06話 すれ違う想い
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してあげられないのは素直に悔しいですが、斯の機体が報われるかと思うと嬉しい面もあります―――仕上げたのは柾大尉だと聞きました、そして斑鳩公は彼と私の婚姻が好ましいとも。」
「……!!」
恭子の顔が一瞬強張る――やはり、何らかの打診があったのだろう。
篁家は今、非常に不安定な状態だ。
元より篁家自体は、技術者を多く輩出した関係からそこそこ裕福だったが、こと今世に至っては対BETAとの戦争による戦争特需によりその資産は膨れ上がった。
父裕唯の開発した74式長刀が斯衛・帝国両軍で採用、さらに82式瑞鶴と00式武御雷の採用により何もしなくても勝手にライセンス料が収入として入ってくる事で資産だけが膨大と成っていった。
恐らく、それを見越しての事だろう―――父と母の婚姻は。
母の生家である鳳は五摂家の一つ嵩宰直系の家柄……つまり唯依と恭子は、曽祖父母を共通とする従姉叔母だ。
其処には、膨大な資産をこれから得るであろう篁家とその主である嵩宰の関係を強化しつつ、異分子が介入するのを防ぎたいという思惑があったのだろう
だが、摂家の直系の血筋と膨大な資産に対し、当主が戦死し残されたのは年端も往かない少女である自分―――野心を秘めた者たちからすれば自分は絶好の鴨だ。
文字通り、摂家の血縁というカモが膨大な資産というねぎを背負っているのだ――そのため、今どれほどの労を目の前の彼女や、母、父の友人であった巌谷などがこんな不甲斐ない自分のために掛けているかと思うと心苦しくすらある。
「唯依、あなたは無理にそれを受ける必要はないのよ。」
「……ええ、斑鳩公もそう言ってくださいました。――ただ、これからを思うと戦術機開発の才を持つモノを入れる事も篁の家にとって重要な事だと思うのです。
兵器には必ず衰退が有ります、瑞鶴や武御雷それに74式長刀も何れ兵器としては旧式となり廃れていきます。」
発明から実用化までのタイムラグは産業レベルに比例して短縮されてゆく。
高度な産業が存在すれば、発明からそう間をおかずにそれは実用に足るものとなる。
内燃機関が発見から実用化にまで100年以上の時を有したのに対し、今では長くても数年で試作にたどり着く。
そうやって技術の進歩が加速していく中、近代の軍事兵器は設計から各種試験が終わり実戦配備が終わった時にはすでに技術的には旧世代の遺物と化してしまっている。
そのため、戦術機をはじめとした近代兵器は各種装備、跳躍ユニットのエンジンや装甲に電子機器といった構成要素を改良型に交換することで性能向上を行うのが主流だ。
しかし、それだけではダメなのだ。
如何に近代化改修を重ね、兵器としての寿命を延ばしても所詮は延命。兵器の種としての限界に到達する―――これは、機体の個体寿命ではない。基本
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