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雲は遠くて
61章 美しさや愛を大切にする生き方
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るくらいの、常識にとらわれない心や、開拓精神や、
難関や障害を突破する力のことを意味するんでしょうけど、それがおれの事業にも必要なんですよ。
しんちゃんと付き合っているとね、毎日を新しい気分にさせてくれる感じで、
新鮮さや独創性に向かって、ブレイク・スルー思考が実現できて、バリバリと仕事に励めるんですよ。
それで、マンネリズムも防げるんです。行き詰まりの状態も打開できてしまうんですよね。
しんちゃんとは、酒飲んで楽しみながら、いいビジネスもできるという、
いいことばかりなんですよ。欠点といえば、たまに二日酔いもあったりすることです。あっはっはは」

 竜太郎がそういってわらうと、みんなは、声を出してわらった。

「美樹ちゃん、この店は閉店が朝の5時だから、ゆっくりできるしね。秘密の隠れ家かな。あっはは」

 川口信也がそういって、美樹を見つめながら、爽やかにわらった。

・・・いつ見ても、美樹ちゃんは、ほんとにかわいいなぁ、詩織ちゃんも美樹ちゃんに負けないくらい、
かわいいけれど。そういえば、この前、朝方に見た夢に美樹ちゃんが出ていたっけ。
おれと美樹ちゃん、恋人みたいに仲よかったっけ。詩織ちゃんはその夢にはいなかったっけ。
おれの深層心理ってものなのかな?美樹ちゃんも、おれの夢とか見てくれているのかな?
そりゃぁないか、美樹ちゃん、いま隣に座る陽斗くん、一筋って感じだもんなぁ・・・

 そんなことを信也は生ビールを飲みながら思っていると、竜太郎が話しかけてきた。

「高倉健さんが亡くなったね。亡くなってから、健さんって、すごい、いい俳優だったんだなって、
思い直したんだよ」

「竜さん、おれも同じですよ。健さんって、独特の美意識とでもいうのかな、持っているでしょう。
根っからの芸術家とでも言ってもいいのだと思いますけど、
特別な存在感のある、カッコいい男だなぁって、おれはいつも思っていましたけど。
こんなに早く亡くなってしまうと、おれなんかには、重いくらいの喪失感がありますよね。
でも、喪失感と同時に、健さんから教わったこともある気がしています。
おれがいつも考えている、美しいことや愛についてですけどね。健さんのおかげで、
美しいことや愛の大切さを改めて確信できたような気がしているんですよ。
まあ、健さんは、おれから見ても、男の中の男で、日本は大切な人を失ったような気がします」

 信也は、左隣の席の竜太郎と時おり目を合わせながら、そう語る。

「しんちゃんも、健さんに負けないくらいカッコいいんだから、健さんの遺志を継いで、
ここで、俳優として、デビューするのもいいと思うんだけど?」

「あっはっは。またまた、竜さんは人を乗せるのがうまいんだから。
おれなんか、無理ですよ。お
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