暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
MR編
百三十七話 大乱闘
[2/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るスキルによって、風切り音を立て、たっぷり四回転したリョウの身体は静動を掛けた右足に煙を上げながら右手で薙刀を振り切り、左手を地面に着いた体勢で止まる。

「行け!アスナ!!」
「ありがとうッ!!」
そう言ったリョウの横を、律儀に礼を言ってアスナが駆け抜け、更に続いてノ―ムやサラマンダー、スプリガンと行った多様なメンバーが目配せや、あるいは軽く礼を言いながら次々に駆け抜けていく。そして、最期に濡れ羽色の髪を持つ少女がリョウのすぐ脇を駆け抜ける。その時、彼女のアメジストのような美しい紅色の瞳と目が有った。と、彼女は走りながら、耐えかねたように振り向き言った。

「あ、あのっ!ありがとうございました!!」
「ん……?」
そのなんとも律儀で子供らしさの残る、其れで居てとても素直な礼に、リョウは硬直時間が解けるのを自覚しながら、ニヤリと笑う。

「礼なら結果でよこしな!!行ってこい、嬢ちゃん!!」
「は、はいっ!!」
弾けるような笑顔を残して、ユウキと呼ばれた少女は扉の向こうへと消える。扉が閉じてから、リョウはようやく大きく息を吐いた。


「……ふー……」
懐から、《モスミントの煙棒》を取り出して口に加える、指先でその尖端を突いて煙を発生させようとした……瞬間。

「!」
「へっ!」
ガァンッ!!!と重々しい金属音がして、振り下ろされた斧と冷裂が火花を散らす。煙棒をくわえたままニヤリと笑って、リョウは斧を振り下ろしてきた本人を見た。
片手で冷裂を支えるリョウとつばぜり合いの形で此方を睨んでいたのは、初めに前方の部隊を率いていた、土妖精(ノ―ム)の隊長だった。

「オイオイ、戦闘は終わりだろ?まだやんのかい?」
「はっ、ザケんな!勝手に終わらせられちゃ困るんだよ!此処までコケにされたんだ。手前等全員此処でやっとかねーと、ギルドのこけんに関わんだよ!」
「……おいおい、コケにだ?今コケにっつったか?冗談だろ?今まで散々他の連中コケにしといて、今更手前等が何被害者面してやがる?」
首を傾げて言ったリョウに、リーダーは小馬鹿にしたように笑う。

「っは、あんなもん、MMOじゃ日常茶飯事だろうが!俺らはシステムに則ってプレイしてんだ、バフの警告もちゃんと出てんのに、気が付かねーほうが馬鹿なんだよ!」
「成程、んじゃ、俺らも規定に則ってプレイしたんだ。文句言われる言われはねーな?」
「あぁ?」
「“全てのプレイヤーはその不満を剣に訴える権利が有る”ってのはGM側が決めた規定だからな、文句なら通り通すか、剣でどうぞだ」
「はっ!上等だ、小奇麗に言おうが、用は“最後には力が全て”だろうが!だったらテメェらのした事の清算も、きっちり剣で済ませてもらうぜ!!」
「やれるもんならやってみな!」
そう言って、リョウはリー
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ