暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
81話:翠屋で一服 あれ?何その表情?
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とは、驚きだな。なんかちょっと複雑だ。
 
「あ、士君」
「ん? 何ですか、美由希さん」


 翠屋のお手洗いから出た辺りで、丁度箱詰めまで終わったケーキを持った美由希さんと出会った。27歳となった現在も、彼氏はいないそうだ。


「今失礼なこと考えてなかった?」
「そんな滅相もない。相変わらず綺麗だな〜って思っただけですよ」


 勘がいいのも相変わらずで。
 とりあえず美由希さんからケーキを受け取り、席へ向かおうとするが、美由希さんが何やら俺の顔を覗き込んできた。


「な、なんでしょう…?」
「う〜ん……なんか士君、この四年ぐらい会わなかっただけで随分とカッコよくなったな〜、なんて思ってさ」
「はぁ……」


 そうだろうか。なのは達にはそんなこと言われた覚えはないし、アリサに会った時だって言われなかったから、なんか実感がないな……
 そう思っていると、品定めが終わったのかうんうんと頷きながら美由希さんは顔を離した。


「これなら、私の旦那さん候補に入れるね」
「………はい…?」


 この御人、今なんと仰りましたかな?ちょっと聞き間違えたかな?
 旦那さん候補? え、どういうこと? なにそれ、怖い。


「美由希さん、冗談は止めてくださいよ?」
「あれ、バレちゃった? いや〜、我ながら迫真の演技だと思ったんだけどな〜」
「はぁ、ほんと止めてくださいよ」 
 若干本気かと思っちゃいましたよ。おぉ〜、怖い怖い。


「というか、俺と美由希さんじゃ釣り合わないじゃないですか」
「……それは年齢的に、ってこと?」
「そんなバカな。ビジュアル的にですよ」


 女性に対して年齢を絡めるのはタブーだってことは、とっくの昔に承知してますよ。って、なんですか? そんなむっとした表情しちゃって。


「えっと……俺、何か癇に障ること言いましたか?」
「べっつに〜」


 美由希さんに疑問を投げかけるが、彼女は表情を変えずにそのまま厨房の方へと行ってしまった。一体何だったのだろう? 考えてもわからんな。


「…………」


 その時、ある双眸が俺の姿をじっと捉えていたのだが、俺はそれに気づくことができなかった。





 
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