暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
春奈-クラスメート-part1/再会の世界
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M78ワールド、M78星雲光の国。
「ゼロの行方はまだ掴めないままか」
セブンがため息をつく。
宇宙警備隊本部にて、ウルトラ兄弟たちはゼロの所在特定を行っていたが、未だに確認ができなかった。それどころか、地球に向かっていたレオからの連絡がここしばらく途絶えっぱなしだった。
「すみません、セブン兄さん。地球に向かったレオ兄さんからの連絡も来てなくて…」
アストラが捜査の難航について謝罪する。地球付近の宇宙で兄と別れた後、クール星人の尋問に当たっていたアストラはそれを終わらせると、早速レオに連絡を取ってみたのだが、返信のウルトラサインが一向に返ってこなかったのだ。
「自分を責めるな、アストラよ。この宇宙は広い。いかに我々とて、すべてを把握することは不可能だ」
気に病むな、とゾフィーがフォローを入れた。
「だが、こうしている間にゼロに万が一のことがあれば…」
セブンが焦りを見せていると、ゾフィーは今度はセブンに向けて言った。
「セブン、レオに息子を預けたのはお前じゃないか」
そういわれて、セブンは黙る。責められているわけではない、ただ、我が子と自分の弟子を信じてやれ、ゾフィーがそう言ってくれている。それを察知しての沈黙だった。
信じてないわけではない。ただ、もしも万が一のことがあったらと思うと不安に駆られてしまう。たとえ人間でも、宇宙人でも、深い間柄の者のことを思うとそうなってしまうのが宇宙の摂理というものだろうか。


「もう、勝手に出かけたらだめだよ、シュウ兄!」
「…済まん」
ウエストウッド村に戻ると、シュウは珍しくエマからから怒鳴られてしまった。事実勝手にどこかに行ってしまっていたから逆らう理由がないので言われるがままだっため、言い訳はできない。すると、マチルダが二人の元にやってきた。
「実は、シュウに買い物頼んでたんだよ」と嘘をついた。
「そうだったら、ちゃんと言ってから出かけないとだめでしょ?」
「わかった、今後は気を付ける」
「つっても、必要以外の外出は控えないとね。この村、前に下種どもに狙われちゃったしな」
以前、村に人攫い目的で盗賊が現れ、テファが誘拐された時のことを思い出す。またいつかあのような輩が出てくるとは限らない。その時、もし自分が村から離れているとしたら、必ずしも駆けつけてこられるわけじゃないかもしれない。最悪、ティファニアたちの身に何が起こるのか…。ふと、シュウは村の庭でエマ以外の子達と戯れていたテファに視線を泳がせると、ちょうど彼女と目があった。すると、テファは何か後ろめたさでも感じたのか視線を逸らした。
「マチルダさん。話がある」
テファの奇行を奇妙に思いながらも、マチルダに小声で話すと、シュウは先に自室に戻った。村に戻ってから不思議だったのは、一番怒るはずのテファが叱ってこなかった
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