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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
春奈-クラスメート-part1/再会の世界
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ことだった。先日村を真夜中に出てまで、姿を消していた自分を探していたはずの彼女がなぜ?
疑問に思いながらも、彼はベッドに座ってパルスブレイカーを起動し、『シークレットファイル』と名付けられたフォルダを開く。いつでも対応できるよう、ナイトレイダーが戦ってきた敵のデータを少し移していたのだ。カーソルを回し、ファイルナンバー23を示すファイルを開く。画像には、ネクサスと交戦するダークファウストの姿と、画像の傍らにファウストに関するあらかたの詳細が記載されていた。文末には、確かに『ウルトラマンに倒された』と記述されていた。事実この記録の戦いの後、ファウストの姿を世間で見たものはTLT関係者以外一人としていない。
(ファウストは…もう俺の世界で倒されたはずの個体。それが、なぜ今になって再び姿を見せた?誰かが甦らせたのか?それとも…別個体か?)
ふう…とため息を漏らし、「考えても仕方ないか」とつぶやいた。復活した個体だろうが、別の存在だろうが、それでも倒すべき敵であることに変わりない。こいつのせいでこの村にまで被害が及ぶことを防ぐためにも、次に現れたら必ず仕留めなくては。
「シュウ、話ってなんだい?」
ふと、彼の部屋をマチルダが訪れてきた。彼女の訪問と同時にパルスブレイカーを閉じた。
「…ティファニアたちはいないな?」
「ああ、今は庭で適当に相手してるよ」
なるべくテファには聞かれるのを避けておきたい会話のようだ。
「少し村をあけることが多くなると思って、あんたに聞いてほしいことがある。実は…」
話の内容は、シュウがタルブでの戦いの後、サイトとの連絡網を作るための相談についてだった。今後は、サイトの手も借りた上で行動した方が、自分たちの活動を円滑なものとできると考えた上での判断だった。
「…へえ。あんた手先が器用だったんだね。で、その機械と似た機械を繋ぐものを作るために、一度トリステインに行くってわけか」
機械工学というのがいかなるものかはよくわからないが、マチルダはシュウが物作りができる方であることはつかめた。
「その間、あなたには村に留まってティファニアたちを見ていてほしいんだが…済まない、やはり勝手だったか?」
「まあ、確かに勝手だとは思うさ。一応聞くけど、これもテファたちを守るためにも必要なことってことで、いいんだよね?」
「もちろんだ。ついでに、この話がうまくいって仕事を請け負うことができたら、王女からも給金をいただくつもりだ。そうすれば、あなたが手を汚すこともない。
せっかくだから村で休んでティファニアたちと触れ合うのもいいんじゃないか?」
「あんた…ちゃっかりしてるな」
それを聞くと、マチルダは笑みを浮かべた。この子は、実は盗人を働く自分のことを気遣ってくれていたのだ。むしろこの子の方が茨の道を歩いてボロボロになっている
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