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辻堂雄介の純愛ロード
第拾壱話『偽りの恋人』
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ウ君に貸してもらえないだろうか」


 父さんの追い打ちにアタシの中で何かがはじけた。


「行ってきますッッッッッッ!」


 ウチの両親のヘンタイ加減にはほとほと呆れるよ…。


「あ……忘れてた」


 歩き出そうとしたアタシはあるモノがないのに気がついて部屋に戻ってソレを持って再び家を出た。







 辻堂雄介の純愛ロード
 第拾壱話『偽りの恋人』









 さて、時刻は9時50分。昨日とだいたい同じくらいの時間に待ち合わせ場所に来たのだが…。


「オス」


 すでにそこには愛がいた。


「もう来てたのか、早いな」

「基本5分前行動する派だから」


 そういえば、俺が家を出る少し前に隣から玄関を閉める音がしていたが、あれは愛だったのか。


「でも、いつもは遅刻ギリギリで登校するよな?」

「あれは朝、アタシがみんなと同じ時間に行くと校門が詰まるからできるだけ避けてるんだよ。正直アレはやめて欲しいんだけどな。恥ずかしいし」

「なら、やめさせれば?」

「あっちはアタシに対する誠意でしてることだから……言いづらい」


 どうやら、番長さんも結構大変なようだ。


「さて、じゃあ残りのポスター貼りにいくか」

「ああ」


 そんな話をしていたらちょうど10時になったので二人並んで歩き出した。









 ◇◇◇◇◇









 さて、無事に残りにポスターも貼り終わり、ちょうど、昼になったので昨日と同じとこれで昼食をとることにした。
 ちなみに、俺はナポリタン。愛は昨日と同じく蕎麦だ。


「いただきます」


 ちゅるるる。
 ちゅるるるるる。


 手を合わせて、蕎麦をすすり始める。
昨日とはえらい違いだ。


「……なんだよ」

「昨日より上品に食べるなぁっと思って」

「わ、悪いかよ」

「いや、いんじゃね。そうやって食べてる姿も可愛いし」

「なっ!?」


 カーっといっきに愛の顔が赤く染まる。


「……」


 そして、恥ずかしそうに俯きながら再びちゅるちゅると蕎麦をすすりだした。やべ、ストレートに言い過ぎた。
 それからお互い、無言のまま食べる羽目になった









◇◇◇◇◇









「この後、どうするの?」

「そうだな、とりあえずその辺ぶらぶらしるか」


 昼食を食べ終えた俺たちは、店を出て商店街を並んで歩いている。

すると―――


「辻堂愛!!」


 聞
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