第1部 ゼロの使い魔
第6章 微熱のキュルケ
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凄い勢いで空いた。
そこには、ネグリジェ姿のルイズが立っていた。
「どうした?」
ウルキオラがそう言うと、ルイズは怒りを隠しながら言った。
「入りなさい、ウルキオラ」
ウルキオラは言われた通りに部屋に入った。
部屋に戻ったルイズは慎重に内鍵をかけると、ウルキオラに向き直った。
唇をぎゅっと噛み締めると、両目がつり上がった。
「ど、どうしてキュルケの部屋に居たのかしら?」
「あいつの使い魔に部屋に引っ張られたからだ」
「嘘おっしゃい!」
「嘘を言ってどうする」
ルイズは机の引き出しから、鞭を取り出した。
「なんだ」
ウルキオラは声のトーンを変えずに言った。
ルイズはそれでピシッと床を叩いた。
「ううう、嘘を吐く使い魔には罰を与えなくちゃね…」
「なぜ鞭を持っている?」
ウルキオラはルイズの持つ鞭を見つめて言った。
「乗馬用の鞭だから、あんたにゃちょうどいいわね…」
ルイズはそれでウルキオラを叩き始めた。
ピシッ!ピシッ!とウルキオラの体に当たる。
ウルキオラは何事もないように立っている。
それもそのはず。
大の男が刃物をウルキオラに振りかざしても破れない鋼皮が少女の力で振るう鞭で破られる訳もない。
「なにをする」
「なによ!あんな女のどこがいいのよ」
ウルキオラは面倒だと思いながらルイズの両手首を掴んだ。
少女の力では、ウルキオラの手を解くことはできない。
「離しなさいよ……!ばか!」
「なぜそこまでキュルケのことを嫌がる」
「キュルケだけはダメなの!」
ウルキオラは手を離した。
すると、ルイズは椅子に座り、足を組んだ。
息は荒いが、散々ウルキオラの体を叩いたので、満足しているらしい。
「なぜだ」
「まず、キュルケはトリステインの人間じゃないの。隣国ゲルマニアの貴族よ。それだけでも許せないわ。わたしはゲルマニアが大嫌いなの」
「知ったことか」
「私の実家があるヴァリエールの領地はね、ゲルマニアとの国境沿いにあるの。だから戦争になるといっつも先頭切ってゲルマニアと戦ってきたの。そして、国境の向こうの地名はツェルプストー!キュルケの生まれた土地よ!」
ルイズは歯軋りしながら叫んだ。
「つまり、あのキュルケの家は……。フォン・ツェルプストー家は……、ヴァリエールの領地を治める貴族にとって不倶戴天の敵なのよ。実家の領地は国境挟んで隣同士!寮では隣の部屋!許せない!」
「なるほどな…長年の宿敵という訳か…」
「ええ、そうよ!」
ウルキオラは不敵に笑って言った。
「ルイズにも長年の敵がいたとはな…」
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