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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十五話
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て。

 漆黒の積乱雲が天を蓋いつくし、暴風が吹きすさび、雷が鳴り響く中――――シウネーは、全力で叫びあげた。

「《ライトニングボルト》―――――ッ!!!!」

 単純な攻撃魔法。だがその術名が、いたって単純(シンプル)なわけでは無いことを、シウネーは少し前にくせ毛の剣士から聞いていた。

『ライトニングボルト、っていうのは、一節によればギリシャ神話のゼウスが、雷を引き起こすのに使う武器の名称らしいよ。あれ、どう考えてもヴァジュラだよね。あ、ヴァジュラっていうのはバラモン教系の神話に出てくる《雷を纏った武器》の通称で、有名なのはインドラのヴァジュラとか。たぶん風神雷神屏風の雷神が持ってるあれもヴァジュラじゃないかなぁ……変な形してるよねー、あの腕』

 後半はどうでもいい内容だったが――――つまり、この単純な名前の、単純な雷魔法は、それでいて神の雷にもなりえるのだ。

 迷える者に、救済を。その願いを込めて、シウネーはワンドを振り下ろす。ピシャァッ、という激しい音と共に、大気を引き裂いて雷が降り注ぐ。それは蛇のように蛇行しながら、ユウキの体を貫いた。

「うわぁぁぁぁっ!?」

 何度も、何度も――――合計で六度に及ぶ落雷を受けて、ユウキの鎧はぼろぼろになる。そして――――その鎧は、元に戻らなかった。

「な、なんで……」
「やっぱり……ユウキのその鎧は、巻き戻せる時間に制限があるんですね」

 シウネーの予想は、的中していたのだ。

 ユウキの鎧である《惟神》、《回帰する超越の時(ウロボロス・ユーヴァーメンシュ)》は、鎧を『治癒』しているのではない。そこにかかったダメージを数刻前に『回帰』させているのだ。だから、特大のダメージを断続的に、それでいて連続して与え続けることで、()()()()()()()()()()()、そ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 だからシウネーは最大威力で高火力かつ連撃回数の多い魔法を使い、ユウキにダメージを与えたのだ。

「みんな!今の内に!」
「言われなくても!」

 シウネーの指示に最初に答えたのはノリだった。クォータースタッフをふり回し、ユウキに迫る。

「リーダー、目を覚ましな!」
「くっ……くるなぁぁっ!」

 ユウキの二刀が激しい光を放つ。踊るように閃く二刀。片手剣用ソードスキル《ブラッディロンド》五連撃、その二刀連続攻撃。

「うぉぉぉっ!」

 それを阻んだのはジュンの大剣だ。本来ならばテッチの鎧のようにやす
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