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ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十五話
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直す。

「……ユウキ。今、開放してあげます」
「無駄だよ……みんなじゃボクに勝てない」

 二度目の火ぶたが切って落とされた。

 まずはタンクのテッチとジュンが、ユウキの周囲を取り囲む。さらに後ろからタルケンとノリが槍で撃ち、シウネーが魔法の援護を飛ばす。それはバフであったり、デバフであったり――――攻撃魔法であったり。

 だが、ユウキにつけられた傷は、片っ端から再生してしまう。《回帰》の名が示す通り、もとに戻っていくのだ。

「くっ……」
「そう。みんなはボクに傷をつけられない。ボクは誰ともふれあえない。みんなボクを忘れてしまう。ボクを知らなかった頃に還ってしまう……これがボクに与えられた《()()()》」

 ユウキは回転させるようにして、その二刀を振るう。踊るように。歌うように。それでも、そこから悲痛さは消えない。悲しみのロンド。悲劇の舞台。

 輝くソードスキルのエフェクトたちも、どこか苦しそうに蠢いていた。後に黒の剣士に聞いた話では、オレンジ色のそのエフェクトは、二刀流スキル《シャイン・サーキュラー》。高速で振るわれる苦悶の刃が、シウネー達を切り裂いていく。

 絶望に彩られたソードスキルは強い。後の時代の人間か、多少その事情に詳しい者がここに居たのであれば、「《絶望の心意》は『心の穴』に近いがゆえに、強い」と、その理由を教えてくれたことだろう。

 ソードスキルも、魔法も、通常攻撃も。何もかもが、ユウキに通用しない。与えたダメージは還っていく。まるで時間を巻き戻すかのように――――

 ――――時間を、巻き戻すかのように……?

「もしかして……」

 シウネーは、ある仮説のもと、ふとそう呟いた。もしこの仮説が正しいのであれば、ユウキにダメージを与えられるかもしれない。

 そのためには、自分たちもまた、全力を振り絞らなければならない。あらゆる全てを総動員して、ユウキを救わなければならない。

「……」

 シウネーは強く息を吸い込むと、今自分が使える中で、最強の威力を誇る攻撃魔法を唱え始めた。水属性・風属性の両方の属性をもつ、雷系の魔法。漆黒の積乱雲が立ち上る。たちまち、シウネーの周囲に電撃が集まり始める。まるで、嵐のように。

 シウネーは意識していなかったが、この魔法は同時に《六門魔術》とも同期し、世界からのバックアップを受けていた。ALOでは再現できなかった威力まで、嵐の魔法は威力を上げていく。

「な……っ」

 ユウキが驚愕に目を見開く。ALO時代は最大でシウネーの背の高さほどだった積乱雲は、すでにその三倍近くまで規模を増している。

 だが、まだだ。まだなのだ。もっともっと。ずっとずっと、強く。強く。強く――――!

 そうし
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