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魔法科高校の神童生
Episode31:暗躍
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タブレットタイプの汎用型。そっちは今、中条先輩に整備してもらってる」

隼人の担当エンジニアは中条梓だ。当初はあまり接点がなく気まずかったものの、隼人のコミュニュケーション能力のお陰で今ではすっかり打ち解けている。着実に人脈を広げていっているようだ。

ちなみに、隼人は滅多に使うことはないが、現代魔法のプロセスで魔法を発動できないわけではない。ただ、慣れていないこともあってか、発動スピードはガクンと落ち込む。また、規模や威力も少し抑え気味になってしまうが、それでも水準以上の数値を出している。
隼人と鈴音の作戦としては、予選の内は全て汎用型で済ませるつもりであった。

「そういえば、九十九さんの得意な系統ってなんなのですか?」

「うーん……あんまり得意不得意はないんだよねぇ。大体同じくらいの精度になるかなぁ」

現代魔法で規定された4系統8種の系統魔法。それらすらも隼人はイメージで発動してしまうために系統ごとの威力の大小はあまりない。全力でやれば全ての系統で最高峰の効果を生み出すことができるだろう。
しかしそれも秘匿すべきこと、嘘は言ってないよね、と内心苦笑いしつつ深雪の問いに答えた。

「では、戦術はーー?」

「それは見てからのお楽しみ」

きっと俺がラスボスのように見えるだろう、と心の中で付け加えて、気を落とす隼人であった。



☆★☆★



一高天幕が盛り上がる中、今年こそは覇権を、と意気込んでいた第三高校の天幕内は心なしか重苦しい雰囲気で満ちていた。
それもそうだろう。新人戦女子スピード・シューティングはライバルである一高に表彰台を独占され、男子でも優勝は一高に持って行かれている。本戦でもそれなりの点差でリードされているのだ。三高が総合優勝するには、一高と大差をつけての新人戦優勝が不可欠となる。
にもかかわらず、この状況。彼らはその原因を一高のエンジニアであると目処を立てていた。
特化型にも劣らぬ速度と制度、系統の異なる起動式を処理するという汎用型の長所を兼ね備えたCAD。まだ公式発表すらされていない新技術。それをプログラミングできるエンジニアが一高にいる。
更に、三高もそうであるが、一高も未だ『エース』と呼ばれる選手が出てきていない。
当初から、三高は今年の一高の一年エースは二枚看板だという情報を入手していた。

「司波深雪に、九十九隼人…二人とも、明日のピラーズ・ブレイクに出てくるね……」

第三高校のブレーンであり、また『カーディナル・ジョージ』の異名をとる少年、吉祥寺真紅郎の呟きに、三高エースである一条将輝は頷きを返した。

「ああ…司波深雪は情報がないが、女子の苦戦は免れないだろう。九十九隼人は、『レンジ・オーバー』の異名通り厄介な相手だ」


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