暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth16反撃開始・イリュリアを打ち砕け〜CounterAttackerS〜
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ディンへと視線を移す。私もスッと目線を下げ、斜め前に座っているオーディンの横顔を見詰める。みなの視線を一斉に受けたオーディンは咳払い一つ。

「・・・アムルを奪われておいて偉そうな事は言えないと思っているが・・・」

「構いませんよ、オーディンさん。貴方が居たからこそアムルは今まで守られてきました。確かに今回はイリュリアに明け渡す事になってしまいましたが・・・貴方なら奪還出来る、そうですよね・・・?」

「感謝する。私たちグラオベン・オルデン各騎の魔力が全快になっている今、アムルに駐屯している騎士団や配置されている戦船の攻略はそう難しくない。騎士団戦は元よりこちらに分があり、戦船に関しては私の使い魔の一体を召喚すれば事足りるはず」

「使い魔・・・あの巨大なチェスの駒のような、ですか?」

巨像の使い魔。オーディンは確かアンゲルス・カスティタスと呼んでいた。あれほどの巨体ならば戦船を鷲掴んで放り捨てることも容易いはずだ。アムル奪還の問題はそれで解決したと見てもいい。
オーディンは首を横に振り、「いや。カスティタスとは別のアンゲルスを召喚する」と驚愕に値する言葉を告げた。私だけでなくクラウス殿下やリサ、この場に集う騎士たちも目を見開き驚愕している。唯一オーディンの使い魔を実際に見ていないオリヴィエ王女だけが「??」小首を傾げている。

「別の、・・・まだ他にもあのような強大な使い魔が居ると・・・!?」

「私の有する使い魔アンゲルス・・・七美徳の天使は、名の通り七体在る。純潔カスティタス。節制テンパランチア。救恤リベラリタス。勤勉インダストリア。慈悲パティエンティア。忍耐フマニタス。謙譲フミリタス。その全てが巨体。その全てが強大・・・・」

テンシとは何なのか判らないが、名称からして凄まじそうなので室内が沈黙に包まれる。クラウス殿下はともかく他の騎士たちは複雑な思いだろうな。今は味方であるオーディンだが、シュトゥラの人間ではない。それどころかベルカ人ですらも。
だから頼もしく見えていたであろうオーディンに別の感情がおそらく生まれている。それは畏怖。最悪、中には純粋な恐怖を抱いている者も居るかもしれない。嫌な空気が流れ始めたその時、「オーディン先生、頼りにしています♪」オリヴィエ王女が微笑んだ。

「・・・私が恐ろしくはないのですか? オリヴィエ王女殿下はご覧になった事が無いのでそう言えるのかもしれませんが、アンゲルスは実際に強力です。私がその気になれば、一国を潰せるだけの戦力として用意できます」

「でも貴方はそれをなさらない。貴方の目を見れば判ります。貴方は本当に優しい御方です。それにリサから窺っています。オーディン先生、貴方は魔力を使い過ぎると、今まで培ってきた記憶の一部を失ってしまう障害を抱えているのだと。それ
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