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木の葉詰め合わせ
本編番外編
入れ替わりシリーズ
入れ替わり発端
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 ――いや、この二人の相性が非常に悪いことは分かってはいたんだけどさぁ……。

「あら、うちはの頭領殿。まだおられたのですか? とっととお帰りくだされば良いものを」
「ふん。相変わらず口“だけ”は達者だな、うずまきの女」

 背後に阿修羅が見えてきそうな笑顔で出入り口を指差す妹と、それを一蹴して嘲る様にせせら笑う我が同盟者。
 分かってはいるけれど、この二人は本当に仲が悪い。
 もう本当に、この間の慰霊祭の時からずっとこんな感じだ。

「オレはこの戯けと連合の今後に関しての話がある。戦場に出た事もない、名ばかりのくのいちは黙って退出したらどうだ?」
「あらいやだ。かく言う私とて、他国の忍び一族との今後の関係に付いて柱間様とお話を進めようとしていた所ですのに。そちらこそ下がられたら如何です?」

 何とも刺々しい会話に、当事者ではない私の方がなんだか身の置き所がなくなって来る。
 もうやだ、なんなのこの二人。めっさ、居心地が悪いんですけど……ここ私の部屋で居心地が良い様に誂えた筈なのに。
 ちらり、と二人に視線を向ければ、片方は笑顔で、もう片方は仏頂面だった。
 浮かべる表情こそ対照的であるが、言っている内容に大差はない。要するに厭味の応酬だ、大人げないなぁ……この子達。

「その、二人共……。せめて木の葉の仲間なんだからさ、もう少し仲良くやろうよ」
「嫌ですわ、柱間様。うちはの頭領殿がお引き取りくだされば済む話です」
「――はっ。己の立ち位置も分かっていない愚か者相手に何を生温い事を。甘さも過ぎれば毒だぞ」

 ……うん。
 二人が態度を改めようとする気がない事はよーく分かったよ。ええかげんにしてくれ。
 内心で溜め息を零しながら、火花を散らしている妹の方へと向いて笑顔を向ける。

「ミト。良かったらお茶を淹れてくれないかな? 少しばかり喉が乾いてね。ちゃんと三人分、用意してくれないか?」
「……わかりましたわ」

 ちょっと不満そうにマダラを睨みながらも、ミトは不承不承という具合に頷く。隣部屋へと消えていった真っ直ぐな背中を見送って、私はマダラへと向き直った。

「――お前ね、その戦闘力至上主義なところは改めた方が良いぞ。あんな風にミトを馬鹿にする必要なんてなかったじゃないか」
「事実を言って何が悪い? あの女が役に立つのはうずまき特有の封印術のみ。それ以外に何の取り柄がある」

 弱い者に価値はない、と言い切る戦友に隠す事無く溜め息を吐く。

「ミトは弱くないぞ。そりゃあ、戦闘力は確かにオレやお前に及びはしないが――あの子は強いよ」
「戯れ言だな。力が無い者は遅かれ早かれ駆逐される――それが現実だ」

 そう言って鼻を鳴らされる。そう言う事は思ってはいても口に出しちゃダメでしょ。
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