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無欠の刃
下忍編
支障
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 外を歩くと、よく暴力を振るわれた。
 だから、自分の身を守るためにも、イタチから色んな術を教わった。
 けれど、カトナのチャクラは封印式を維持するのにつかわれていて、今ならまだしも、その当時では変化の術を使うだけでもチャクラは減り、維持することはできなかった。
 だから、とっておきの術を考えた。
 チャクラの消費が少ない、けれど効果は抜群なそんな術。
 カトナはその術のことを『逸脱の術』と、名づけていた。

・・・

 残り時間が十五分を切った時、イビキがぱんぱんと両手を叩き、全員の人間の注目を集める。
 生徒の全員が聞いていることを確かめた彼は、よしよしと頷くと言った。

「さて、10問目を発表する…前に、ルールを説明する」
「ル−ル?」

 いきなり出されたその言葉に、緊張で張りつめていた教室の空気が少しばかり緩むが、慌ててしめなおされる。イビキはそのゆるみに気が付いていながらも、あえてそこには畳み掛けず、

「まず……お前らにはこの第十問目の試験を"受けるか""受けないか"のどちらかを選んでもらう。
"受けない"を選べばその時点で失格。班員も道連れだ」

 その言葉に何人かが反論する。

「そんなの、受けるにきまってるだろ!!」
「そして、もう一つの分」

 イビキが笑う。

 「受けるを選び、問題の回答が不正解だったものは、」

 そこでわざとらしくきって、たっぷりと間を開けた後、余裕を持った笑みを浮かべる。
 嫌な予感が、生徒の頭に走る。

 「今後、永久に中忍試験の受験資格を破棄する」

 その瞬間、全員が絶句する。
 その顔を愉快そうに見ていたイビキはくくっと笑った。それを見ていたキバが、吠える。

「そ、そんなバカな話があるか! 現にここには中忍試験を何度も受けている奴がいるんだぞ! そんなふざけたルール……」
「残念だったなぁ、今回は運が悪かった」

 そういってイビキはにやにやと笑う。試験官たちが、筆舌しがたい、そのなんとも絶妙な演技に、息を呑む。

「ここでは俺がルールだ。それで何人中忍になろうと、未来を絶たれようとどうでもいい。怨むんなら、今年、俺を試験官に選んだ火影様を恨むんだな」
「ライバルが減るのは別にいいが、里の収入が減るのは駄目じゃないのか。それにこの試験、ちゃんと受かるように設定されているはずだが?」
「ああ。安心しろ。落第者数が多かったら、きちんと敗者決定戦が行われる」
「なるほど。自分は好き勝手にして、後始末は他人任せか。まったく、恐れ入る。そう言うのは好きだな」

 はらはらとする会話に、ごくりと全員が息を呑んだ。イビキは何も言わず嗤う。それに相対し、快活そうにあははと笑っていた湖面の体から、ゆらりと、陽炎のようにチャクラ
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