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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
Prologue
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らばその人たちはまず『幼馴染みが異性』だという前提があることを意識していない。
?同性の場合もあることを考えていただきたい。僕はまさしくそれなので全く幼馴染みという単語にときめいたことがない。野郎の幼馴染みとかときめくかっつーの。
?それに仮に異性の幼馴染みだったとしてもときめきはしないだろう。
?これは僕の勝手な意見だが、多分長く関わり過ぎて相手を『異性』として見ることはないと思う。幼馴染みはあくまで『幼馴染み』というカテゴリに入るのだ。普通の人が妹や姉を見てドキドキしないのと一緒だ。ドキドキする方が問題である。
?だから異性であろうとも同性であろうとも幼馴染みは幼馴染みだと僕は思う。
?まぁ、そういうのは無い物ねだりと一緒なので仕方ないといえば仕方ない。

?目の前の幼馴染みは僕の言葉を聞いて『やれやれ……』というポーズをした。

「それだとお前は何のために学校に来てんだって話だよ」
「そんなの友達に会うためだよ」

?僕は即答する。
?すると、相手は再度呆れ顔しながら笑った。苦笑いである。

「おいおい……」
「じゃあ、カイはどうなんだよ」

?カイというのは彼のあだ名だ。小さい頃から言っていたのでもう癖になってしまっている。ちなみに僕にもユウというあだ名がある。

「まぁ、俺も似たようなもんだけどさ」
「だろ?」

?拍子抜けな返答に少しだけ呆れる。結局お前もじゃねーか。

?勉強が好きな人という方が珍しいと思う。大体の人は勉強が嫌いなはずだ。嫌いではなくとも好きと呼べるレベルまではいかないだろう。
?僕は十四年間生きてきてそんな人には会ったことがない。もしいるとしたら少しだけ会ってみたい気もする。でも何か話合わなそうだなあ。それも面白そうだけど。

?僕はふうっとため息をついて頬杖をする。眠気はもう取れた。

「嫌いなことしなきゃ生きていけないなんて嫌な世界だね」
「んなこと言っても仕方ねーだろ」
「世界といえばさ、あのゲーム面白そうだよね」

?僕は頭にそのゲームの紹介動画を思い浮かばせる。考えるだけで思わず口元がニヤける。カイは僕の言葉を理解したようで少しだけ嬉しさを顔に滲ませていた。

「あれだろ??ソードアート・オンライン」

?カイは右手の人差し指をくるくる回しながらそう言った。ちゃんと伝わっていたようだ。流石幼馴染みと言いたいところだが、最近その話しかしていなかったからだろう。
?僕はカイの言葉に頷く。

「そうそう、それ」

?ソードアート・オンライン――通称SAOというのは世界初のVRMMORPG(仮想大規模ロールプレイングゲーム)というジャンルのゲームだ。βテストの時からかなりの人気を誇り、多くの人々を魅了した。どれくらいかというとニュースや
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