第二話 腹違いの妹!?有り得るから怖い!その八
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「あっ、八条荘って言うのは」
「八条君は知ってるんだね」
「僕が管理人でして」
「管理人?」
「はい、僕も八条荘に住んでいます」
「ということは」
ここでだ、先生も気付いた。そしてクラスの皆も。
「君達は同じアパートに住んでいるんだね」
「そうなります」
その通りだとだ、僕は先生に答えた。
「実は」
「ああ、そうなんだ」
「あれっ、驚かれないんですか」
「八条学園には寮があるじゃないか」
「それはそうですけれど」
この学園は日本中からだけでなく世界中から生徒も先生も来る、だからそうした設備も充実しているのだ。
「それで、なんですか」
「同じ部屋に住んでるのかい?君達は」
「食堂は一緒ですけれど」
「じゃあ問題はないよ」
先生ははっきりと言い切った。そして皆もだ。
「可愛い娘と一緒なのは癪にしても」
「まあこいつなら大丈夫だろ」
「親父さんと違ってね」
「おかしなことはしないから」
「親父と一緒にしないでくれよ」
これだけは嫌だった、だから僕もこのことは強く言った。
「確かに女の子は嫌いじゃないけれどあそこまでいかないから」
「じゃあノープロブレムだろ」
「癪なのは事実として」
「一緒のアパートならね」
「それ位なら」
皆有り難いことに理解してくれてしかも寛容だった、それで僕が恐れていた事態は何もなかった。こうして詩織さんの八条学園での学園生活がはじまった。
詩織さんはそこそこ成績優秀で既に教科書とかも持っていたので学業の方は何の心配もいらなかった。そして。
部活についてだ、転校して次の日の夜にだった。食堂で畑中さんも含めて一緒に食べながら決意した顔で言って来た。
「決めました」
「そうなんだ、それじゃあどの部活に」
「吹奏楽部に入ります」
前の学校にいた時のまま、というのだ。
「頑張ります」
「吹奏楽部に入るんだ」
「はい、そうします」
決意している顔での言葉だった、この時も。
「見学してみて顧問の先生も部員の皆さんもいい人達ばかりだったので」
「それで決めたんだね」
「あの部活なら」
うちの学園の吹奏楽部なら、というのだ。
「大丈夫だと思いまして、私も」
「そう、それじゃあね」
「明日入部届けを出して来ます」
早速、というのだ。
「そうして頑張ってきます」
「そうしてね。部活も楽しいところに入ったらね」
「それで、ですよね」
「うん、学園生活が楽しいものになるから」
勿論部活だけが学園生活でも青春でもない、おかしな顧問やとんでもない部員がいる部活なんていていい影響を受ける筈がない。
「それだったらね」
「楽しくですね」
「過ごしてね」
僕は晩御飯のカレーを食べながら詩織さんに言った、だが。
どうしても気になる
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