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ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第六話
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復されていく。ALOの装備から、SAO時代の装備へ。両の手に握る剣は、折れた剣とエクスキャリバーではなく、《夜空の剣》と《青薔薇の剣》へ。

 奇しくも、それはかつて人界の最頂点で、最高司祭を斃した時と同じ武器。夜空の下で、虚空にのまれたガブリエル・ミラーと戦った時と同じ武器。

 二本の剣が、わずかにだが光っているのが分かる。

「――――ッ!」

 ほんのわずかにだが、エインヘルヤルが眉をしかめた。

 今現在のキリトには冷静に考えることなどできないが、これは当然のように《心意》の力だ。だが、様々なセーフティーのかけられたアミュスフィアでは、心意を使うことは不可能ではないだろうがかなり難しい。フルダイブにハードを必要としないアリスなら話は別だろうが、とりあえずキリトには不可能なはずの芸当だった。

「おおおおお――――ッ!」

 光は、少しずつキリトの体すら蝕み始める。その肢体が揺れる。その背後に、何かが顕現しようとしている。

「…………!」

 エインヘルヤルが、確かに驚愕の表情を浮かべた。直後、当然か、とでも言ったような表情も浮かべる。そして――――

「やっと、本気を出せる」

 ほんの少しだけ、嬉しそうに、口元を歪めた。

 その口から紡がれるのは、全てを停止させる《怠惰》の祝詞。

「『十九八七六五四三二一〇
  いと尊き我が兄に、この誓いを捧げます』」

 そこまでは共通なのだろうか。その他の式句とほぼ全く同じ式。

「『世のはじめ、創世司りし神は
  七の日の内六日で世界を創りだし
  最後の一日を働くことを疎んだ。

  世のはじめ、罪を問われた人の子は
  自ら地を耕すことを疎んだ。
  
  はるかかつて、荘厳なる王宮を有した戦神は
  自らの手でその城を築くことを疎んだ。

  即ち是怠慢の相也。
  
  神さえ其の法より逃るること(かな)わず――――
  其の名は《怠惰(acedia)》。


  ―――《惟神》―――

  《Acedia-Sloth》』」


 そうして放たれたのは――――かつて、キリト達をなすすべもなく滅ぼした術式。

 周囲の重圧が歪む。すべてがエインヘルヤルを中心にしてつぶれる。猛烈な重力をかけられているのだ。当然のようにキリト達も大地に押し付けられる。《心意》による変身がとけてしまう。

 それを見て――――エインヘルヤルは、不可解なことをつぶやいた。

「……まだ不完全なのかしら……《原典の主人公》なのに……いや、逆に『だから』なの……?どちらにせよ、お兄様の指示を仰がないと――――」

 つい、とエインヘルヤルは宙を見つめる。

「ノイゾ。お兄様に繋いで」
『全く、
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