暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
目覚める力
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――――ねえ、私は強くなれてるかな?

今もまだ幼い少女が今よりも幼かった頃、よく口にした問い。
それを聞く度にあの人は苦笑して、灰色の体躯によく映えるワインレッドの目を細めた。


――――貴女が求める強さが何かは貴女にしか解らない…だから、私には答えられない。


お決まりのセリフは、声のトーンもイントネーションも違わず覚えている。
少し低めでハスキーな声がいつもと同じ答えをくれる事に、少女は心のどこかで安堵していた。
その答えが欲しくて、何度も同じ問いを繰り返していたのかもしれない。



7年前の、7が並んだあの日までは。






―――――ねえ、私は強くなれてるかな?







どんなに問い掛けても。
灰色の体躯に映えるワインレッドの瞳は細められない。
あの低めのハスキーな声は、答えを返してくれない。










「“第四波動”」
「おわっ!」

右に避ける。
あと少し避けるのが遅れていたら、ナツの桜色の髪の一部が焼け焦げていただろう。
現に背後の壁には穴が開いている。

「危ねー…」
「ナツ!前!」
「っと!」

ホッと息を吐く間もなく、“太陽の殲滅者(ヒート・ブレイカー)”の異名を取るシオの一撃が放たれる。
壁にダイブするようにそれを避けると、ナツは両腕に炎を纏って駆けた。

「火竜の翼撃!」
「吸収ー」

両腕の炎が、シオの右腕に吸い込まれる。
炎が消えてしまったナツは表情を歪めると、足を止め後方に跳んだ。

(さっきからナツの炎が効いてない……アイツの魔法は何なんだろ?)

後ろの方で待機するハッピーの目には、初めて見る光景が映っていた。
ナツの攻撃が当たる前に、その炎が幼い少女の右腕に吸収されている。
当たらないという事はあった。が、炎が吸収されたところなんて見た事がない。

「だったら!」

再びナツが駆ける。
握りしめられた右の拳に炎はない。
吸収された訳ではなく、最初から纏っていない。

「炎がー、効かないからー、肉弾戦ー?」

空気を切る音と共に振り下ろされた拳をヒラリと避け、シオは右腕を構える。
それに構わずナツは再度拳を振るうべく地を蹴った。

「だけどー……」

謎めいた、何を考えているか解らないボーっとしたような表情のままシオは呟く。

「あんまりー、近づくとー、危険ー、だよー」
「!」

その声が耳に入ると同時に、ナツは異変に気付いた。
握りしめた右拳が――――()()()()()
肘から先が氷に包まれ、冷たさがじわじわと伝わる。

「凍った!?」
「ぬううう……」

ハッピーが驚く
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