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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第2話
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んが交戦って、怪我のせいでまともに動けないはずでは?」

フェイトの話にシンクレアは驚きの表情を浮かべて問い返す。

「うん、そうなんだけどね。 アースラには交替部隊くらいしか実戦部隊は
 残してなかったから、やむなくってところじゃないかな」

「なるほど・・・」

フェイトから苦笑交じりに返された答えに、シンクレアは同じく苦笑して頷いた。
そして、フェイトは腰に手を当てて大きく息を吐き微笑を浮かべる。

「さてと。それじゃあスカリエッティおよび2人の戦闘機人とこのアジトにある
 ポッドの処置は、シンクレアに任せるね。
 アコース査察官やシスターシャッハと協力して進めてくれればいいから」

「了解です。けど、フェイトさんはどうするんです?」

「私は戦場にもどらなきゃ」

「そんな! 俺も行きますよ!」

微笑んだままそう言いきったフェイトに対して、シンクレアは立ち上がって
詰め寄ろうとする。
が、途中でよろけてしまい再び地面に尻もちをついてしまう。
その様子を見ていたフェイトは残念そうに首を横に振る。

「確かにシンクレアがいてくれればとっても助かるけど、
 そんな状態でまともに戦えるわけないよね。 
 だから、今はシンクレアにできることをして欲しいな」

「まあ、そうですね。 今の俺は戦闘で役に立つとは思えませんしね」

シンクレアは自嘲めいた笑みを浮かべると、肩をすくめて見せた。
すると、フェイトは軽く怒った表情でシンクレアを睨む。

「もう、そんな言い方して。 シンクレアのことは頼りにしてるんだからね」

そう言ってフェイトは腰を屈めると、シンクレアに向かって手を伸ばした。

「さっ、行こうよ。シンクレア!」

シンクレアは邪気のない笑顔を浮かべるフェイトの手をとった。
その瞬間、シンクレアの胸がドクンと高鳴る。

(うわっ・・・)

シンクレアは顔を赤くしつつフェイトに手を引かれて立ち上がると、
フェイトに笑みを向けた。

一方、フェイトはそのシンクレアの笑顔を食い入るように見つめていた。

「あの・・・フェイトさん?」

今度は訝しげな表情を浮かべたシンクレアに見つめられ、フェイトは顔を赤くする。

(あれ・・・?)

「ど、どうしたの?」

「あの、そろそろ手を離してもらえるとありがたいなーと・・・」

「あ、ああ。そうだね、ゴメンね。」

ずっと握りぱなしだったシンクレアの手を離すと、シンクレアは出口に
向かって歩き出した。
フェイトは、今度はその背中をじっと見つめていた。

(シンクレアの背中・・・大きくてたくましいな・・・。
 そういえば、私、シンクレアに抱きかかえられてたんだよね・・・・・・)
 

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