15話 『死の宣告』
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
アースの洞窟最深部、その場所はこれまでより一層開けた空間になっており、中央には上下から伸びる腐った木の根に絡まれ本来の輝きを失い黒ずんでいる六角長形の大きなクリスタルが存在している。
「あれが……大地の源の、クリスタルでス!」
無意識の内に引き寄せられるようにして祭壇に歩み寄ろうとする黒魔道士ビルの肩に、赤魔道士マゥスンが片手を置き制止する。
「 ────源のクリスタルに根付いたカオスを倒さない限り、まだ触れるべきじゃない」
「 ふえっ……? 」
その時、地の底から響き渡るような恐ろしげな声がしてくる。
『何者カ……微力ナル大地ノ源ニ触レントスル者ヨ────』
「お出ましってヤツか……ッ?」
「何か来るよ……、皆気を付けてっ」
警戒するランクとシファ。
大地のクリスタル祭壇前に闇の空間が裂け、そこから出現したのは髑髏の頭部と見るからにおぞましく毒々しいぼろ布を纏った、人の背丈を優に超える姿で並みのアンデッドとは比較にならぬ程の魔力を身に帯びて浮遊し、窪んだ双眼はこの世ならぬ闇を湛えている。
『我コソハ大地ノチカラヲ遮ル者ナリ。……愚カニモクリスタルノ輝キヲ取リ戻シニ来タカ。邪魔立テハサセヌゾ、コノ土ノカオス、"リッチ"ノナ……!!』
云い終えると同時に髑髏の窪んだ双眼から白魔道士のみに向けて闇の閃光を発し、咄嗟に目を逸らす事も出来ず一瞬衝撃を受けたように身体がぐらつき、シファは前のめりに喉元を押さえて苦しみ出す。
「あっ、あぁ……っ?!」
「どーした、シファッ!」
「息、が……でき、ないっ……」
「ふえぇ、シファさん!?」
「 ────── 」
「野郎、何しやがったッ!」
『我ガ配下ヲ倒シ、ココマデ来タノハ褒メテヤロウ。余興トシテヒトツ、"賭ケ"ヲシヨウデハナイカ。<死ノ宣告>ニヨリ、ソノ娘ガ死ニ至ルマデノ間ニ我ヲ倒シテミセヨ……!』
更に追い討ちを掛けるように毒素を含んだ<バイオミスト>を放たれ、ランクとビルは毒気に当てられ急激に気分が悪くなってしまうが、マゥスンはシファを身体ごと庇って避けた。
「ふあ゙ぁっ、目眩がしまスうぅ……っ」
「くそッ、こんなンでヘバってる場合じゃねェ、オレらより先にシファが逝っちまう……!?」
その時二人の身体が清浄な黄緑色の光に包まれて弾け、すぐに状態異常が回復する。それは体内の毒素を解毒する白魔法<ポイゾナ>で、[死の宣告]により息が出来なくなっていく苦しみに動けないシファに代わり、白黒魔法を扱えるマゥスンが後方から放ってくれたらしい。
体勢を立て直したシーフのランクはすぐ様反撃に転じ、素早い連続した二刀のダガーの斬撃を見舞い、ビルはその攻撃力を底上げしてや
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ