第百八十四話 第6次イゼルローン要塞攻防戦 前哨戦2
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二本線が全てに確認出来た為、同一艦艇であることが判明しました。その他構成艦艇の特徴分析でも同一艦艇が見られるために全てが同一艦隊による被害だと判りました」
その辺は判っているだろうと言う顔で、多くの参謀がヤンを見る。
「ヤン准将、その辺は判っているが、それ以外に何かあるのかね?」
「はい、これからが本題ですが、先月時点でイゼルローンに駐留していた艦隊の中で、この塗色をしていた艦隊は一艦隊しか無い事が先ほど照査した結果判りました。その結果、この艦隊の指揮官も推測可能に成ったのです」
ヤンの言葉にホーウッド達が興味を抱く。
「それは何故かね?」
「はい、提督は小官がテレーゼ皇女に話しかけられた事はご存じでしょうが、その際にその指揮官について話が有りまして」
そう言われてみれば、ヤンからの報告書に書いてあったことをホーウッドも参謀長も思い出したが、忙しさにかまけてすっかり忘れていたのである。
「なるほど、その際に話にあった指揮官と言う訳か」
「はい、この指揮官はラインハルト・フォン・シェーンバルト少将と言いまして、皇帝フリードリヒ4世の寵姫グリューネワルト伯爵夫人の実弟であります」
ヤンの話に会議室は再度喧噪に包まれた。
「ではなにかね、我が軍は寵姫の弟に連敗した訳か?」
「ノイエ・サンスーシとやらのサロンで酒と女にうつつをぬかしているような貴族のボンボンに負けたのか」
「しかし、彼処で背面から攻撃を受けてあと少し救援が遅れていれば全軍が瓦解する所だったのは事実だし」
ホーウッドが喧噪を止める。
「ヤン准将、続けたまえ」
「はい、皇女の話によりますと、シェーンバルト少将は姉のお強請りで少将まで昇進していますが、フェザーン経由の些か古い情報なのですが、この様な調査結果が来ています。ラインハルト・フォン・シェーンバルト、旧姓ミューゼルは軍幼年学校首席卒業をしています。その後憲兵隊などを皮切りに彼の家臣とも下僕とも言われているジークフリード・フォン・キルヒアイス大佐の功績で出世しています」
ジークフリード・フォン・キルヒアイス大佐の名前が出て、ホーウッドがヤンに質問する。
「ヤン准将、キルヒアイス大佐というと、あのサイオキシン麻薬密売事件を解決した人物ではないかね?」
「はい、同一人物です」
ホーウッドの言葉に参謀達が驚く顔をする。
何故なら、キルヒアイス大佐と言えば、フェザーン経由で帝国期待の若き戦術戦略家として情報が流れてきていたからである。尤もこの噂もテレーゼが流させた物で有るが。
「成るほど、シェーンバルト少将は姉が寵姫であるが故の出世だが、キルヒアイス大佐の場合は実力で大佐にまで成っている訳か」
参謀の一人が疑問を投げかける。
「ヤン准将殿、キルヒアイス大佐は男爵だと聞きま
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