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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
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所を付かれて、軽く俯いてしまう。
そんな計佑の様子に気付かないアリスは、ご機嫌で言葉を続けた。

「羨ましいか〜? お風呂もトイレもすごい広いんだぞ〜? あとあと、部屋もいっぱいあって、それからそれから〜……」
「わかったわかった。わかったけど、世話になってるオマエが自慢するもんでもないな」

 それ以上聞きたくなくて、アリスの頭を乱暴に撫でた。
しかしアリスは珍しくその手を払いのけると、ガバっと起き上がってきた。

「うっうるさーいっ!! そうだっ思い出した!! オマエには文句も言ってやらなきゃいけなかったんだ!!」
「なんだよ文句って……」

 とりあえず白井家自慢は終わったようなので、気を取り直して耳を傾ける。

「なんだっ、オマエのお姉ちゃんへのプレゼントはっ?
壊れたストラップってなんだよっ、いくら庶民だからってアレはあんまりだろっ!!」
「……は? プレゼント? 壊れたストラップ?」

 雪姫にプレゼントを贈った覚えなどない。さっぱり心当たりがなかった。
疑問符で頭を埋めた計佑に、アリスはさらにキャンキャンと喚く。

「お姉ちゃんは、毎晩オマエの写真とそのストラップにおやすみを言って、
キスしてから寝るくらいオマエが好きなんだぞっ!? なのに『キャ〜〜〜〜〜!?』

 途中で悲鳴が遮った。

「アリスっ!! いったい何話してるのっ!?」

 悲鳴に驚いて計佑が振り返ると、キッチンの方から雪姫が走ってくるところだった。
まくらの姿もキッチンにあった。二人でお茶の用意でもしてくれていたのだろう。
 けれどこの時の計佑は、もう頭に血が上っていてそういった事に気づく余裕もなかった。

「アリス!! あなたはまくらちゃんを連れて、お茶を部屋に運んでおきなさい!!」
「え〜〜〜? まだけーすけに言い足りないことが……」
「早く!!」
「……は〜い……」

 赤い顔の雪姫にピシャリと言われて、アリスがしぶしぶ歩き出す。

「……まくらちゃん!!  お客さんなのにごめんなさいっ。でも今は……お願い……」
「雪姫先輩、大丈夫ですよっ。わかってますから」

 いつの間にかまくらもリビングまで来ていた。
俯いた雪姫に、まくらが笑いかけて。アリスと連れ立って、階段を登っていった。

「…………」
「…………」

 残された少年少女はなかなか口を開けなかったが、やがて顔色も落ち着いてきた雪姫が沈黙を破った。

「……計佑くん。聞いちゃった……よね……?」
「……え、と……何を、ですかね?」

 計佑としても恥ずかしかったし、雪姫の方も蒸し返されたくないだろうと考えて、とぼけてみせた。
そんな計佑の答えに、雪姫がまた、カッと赤くなった。

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