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『自分:第1章』

作者:零那
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『女性施設/仕事』

女の施設。
寮。
集団生活。
少し年上の子から婆ちゃんまで。
逃げてきてる人。
躁鬱病の人。
外出できる人。
できん人。
したらあかん人。


児童施設とは違って規則も違う。
生活メニューも違う。


年が近い子。
恵チャン。
最初は、なんとなく遠ざけた。
でも、仲良くなった。
サバサバしてて、おもろい子。
職員に反発する視点が一緒で波長が合った。


入所翌日から求人広告あさったりハローワーク行ったり。
電話、面接...
ことごとく断られた。
ホンマ笑うしかないくらい1週間で何十箇所にも断られて凹んだ。

ムシャクシャして市販のブリーチで思いっきし色抜いた。
恵チャンと街を徘徊した。
頑張るって本気になったときに限って躓く。
これまでの人生の鉄則。
で、やる気無くす。
あかん。
解ってる。
もっとチャントせな。

何も言えずサヨナラした友達に顔向け出来ん。
解ってる。
職探しが困難ってのも。
学歴や見た目どうこう以前に、家庭崩壊してるんやから。
保護者の存在もない未成年。
なかなか認知されてない施設。
受け入れて貰えん。

書類関係なく貼り紙してる店を片っ端から当たった。
接客業は笑顔...
裏方が良い。
工場系の求人書類集めた。

電話しまくって、時期的にも厳しいって断られる中、1社、面接の話が決まった。
スーパーに並ぶお菓子の梱包、饅頭など和菓子製造もしてる会社。

よっぽど人手不足やったんやと思う。
作業場、事務所、見学して翌日から出勤決定。
服装は自由。
エプロン、帽子、マスクは貰った。
基本ズボン系は一切穿かんし、普段はミニスカのみ。

普通の仕事が出来るとか奇跡。
やるしかない。
はよ貯金して自立しよ。


まず初日。
製造した和菓子の容器に賞味期限の日付を打って、シールを貼る。
他の商品の賞味期限の日付を打つ。
そのシールを、商品を入れる前に貼っていく。
熱で蓋をしていく。
お菓子の計量をしていく。


昼休憩、早く食べて戻って、和菓子作りを見学。
片付けや、出来る内職を探す。
出来る仕事を増やしたい。
チャント仕事しよんやって実感できるような仕事がしたかった。


施設に帰ったら御飯食べて片付けて同室のオバチャンからネチネチ文句言われたり。
イヤホンしてCD聴きながら皆のことを考える。
零那が居らんなったくらいで皆は淋しいとか無いんやろな...
皆、退学ならずに済んだかな...
逢いたいな...


翌日、会社の電話を借りた。
用件だけ要約して伝えた。
話した通り高松の女相留置。

仕事見つかったこと。
貯金できたら出所できること。
待ってて欲しいけど、縛り付けたくはない。
逢えんし、自由になって良いよってこと。
とりあえず声が聞けて良かった。

一方的に現状を伝えて切った。
会社の電話やし...
ユウからしたら意味解らんかったと思う。
切った後に、焦りすぎたかな...とは思った。
また、どうにかして電話かけれんかな...


帰って、恵チャンにユウのこと相談した。
ほなテレカ貸したげるって。
電話かけに一緒に行こって。
ユウに興味津々だった。

零那は5時終わり。
恵チャンがシフト合わせてくれた。
待ち合わせは恵チャンのバイト先。
帰り道にあるから零那が其処に行く。


何を話すかまとめなあかん。
帰りたいって泣いたらあかん。
迷惑だけはあかん。
重荷になったら最悪。

でも、結局話すことはまとまらんかった。
とりあえず、聞かれたことに答えよう。

 
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