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『自分:第1章』

作者:零那
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『自立』

18歳になる誕生月。
18歳未満の児童対象の施設。
着々と1Rの物件探しは進む。
待ちに待った自立。
解放される嬉しさでいっぱいな筈。
でも、今は不安しかない。

家は職場の近くに絞られた。
朝早い通勤が、夏も冬も億劫にならん為に。
会社からの給料はチャント職員が管理してくれてたらしい。

生活用品等々、職員みんなが協力してくれた。
譲ってくれたり。
中古を見に行ったり。
100円ショップは衝撃だった。
誘惑だらけ。


部屋を決めた。
契約して荷物を運んだ。
自立寮から此処に移った。
携帯を契約した。
毎朝の『行ってきます』『帰りました』電話は義務づけられてた。


ん...?
退園式してない。
18越えてしまった...
籍はマダ施設。
放置?
凄く不安。

自由の身になった筈。
でも、今迄、檻の中でどんだけ守られてきたのか思い知った。
自由より規則がある方が守られてる。
そう気付いた。
甘えてたんかな...?
立ち位置が変わらな見えん。
解らん。

此処の生活を最初から振り返って結局『此処に来て良かった』って凄く強く想う。

嫌で逃げ出したい時もあった。
脱走した女を見下したこともあった。
くだらんクソガキのイジメも嫌やった。

職員に矛盾を感じてた。
信用やか出来んかった。

でも、なんだかんだゆっても結局いきつく想い...

『此処に来て良かった』

『此処で沢山学んだ』

『此処に来た意味があった』

『大事な第二の故郷』

強く想った。

 
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