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ソードアート・オンライン~十一番目のユニークスキル~

作者:りんまろ
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唯一無二の不確定因子
  第十五話 覚悟

 
前書き
えー・・・・・・お久しぶりです。みなさん

じゃないですね。
二か月放置してました。ほんとにすいません。 

 
 俺はその姿に一瞬見とれてしまった。だが、すぐに意識を切り替え、アリスに警告した。

「アリス・・・・・・逃げろ・・・・・・」

 アリスは、顔を少し左に回し、碧い瞳で俺を見ながら、耳をすまさなければ聞こえないほど小さな声を出した。

「あなたを一人置いて逃げることなんてできるわけないありません・・・・・・私は――――」

 最後の方はなにを言ったのか聞き取ることさえできなかった。それでもその中に隠れている感情はしっかりと伝わった。
 そしてそれは俺の背中を押すのに十分な力だった。

(・・・・・・今にも泣きそうじゃねえか。俺は何を躊躇してるんだ。またあの時と同じことを繰り返すつもりか!!)

 俺は覚悟を決めた後も、キリトが来たから、タイマンならと自分に何かと理由をつけ、逃げていたその足を俺は踏み出した。その先は断崖絶壁、それでも俺は歩を止めない。アリスを守るために、そして昔と同じ後悔をしないために。
 次の瞬間、風が吹いた。そしてその風はアリスの横に対をなすような姿勢でライトに細剣を向けた。その主の姿にアリスは頬をかすかに緩めた。

「・・・・・・アスナ」

「私も戦う。いいよね、アリス」

「ありがとう、アスナ」

 当然でしょと言いたげな笑みを浮かべ、アスナは敵を見据えた。
 ライトは、かすかな笑みを滲ませ、その二人の光景を楽しそうに見つめていた。

「戦乙女のアリスに閃光のアスナ。まあ、暇つぶしくらいにはなりそうだね」

 強がりでないのはその悠然とした構えからわかる。ライト自身から仕掛けてくる気配が全く感じられない。策があろうともそれを正面から叩き潰してやると言った態度に見えた。怒りを覚えるが、今はこの方が好都合だ。

「アリス、アスナ。20秒でいい。時間を稼いでくれ、俺に一つ策がある」

 俺は二人の影に隠れながらアリスとアスナに小声でそれを伝える。それに加えもう一言。

「それとアリスは解毒してからで頼む、その間は一人になるがいけるか、アスナ?」

 二人は無言で頷き、一瞬お互いに視線を交わすとアスナはライトとの距離を瞬時に詰め、体を右方向にきゅっと捻る。

「シッ!」

 短い気合いとともに、閃光の如き速度で右手をまっすぐ突き出した。それが開始のコングのようにそこから高速の剣戟が繰り広げられる。
 その間に、アリスは右手でポケットから解毒結晶を取り出そうとする。が、俺はそれを止めた。

「結晶は使えないんだ、悪いけどポーションで頼む」

 一瞬なぜ? という表情を浮かべるが、何も聞かずに左手をポーチに持っていき、解毒ポーションを取り出すと、そのまま飲ませてくれた。流れ込んでくる妙な味をした液体は少しずつ体の痺れをとっていく。
 後10秒もあれば俺が取得しているスキルの効果も相乗して、体を動かせるようになるだろう。アリスは俺が全部飲み干すのを確認すると、立ち上がり、アスナの援護に向かった。だが、数歩走ったところで一度立ち止まり、振り返った。

「・・・・・・無茶はしないでくださいね」

 俺の心がドクンとなった。考えていることがわかったのかと一瞬思ったが、それは杞憂にすぎないとすぐに分かった。振り返ったアリスの表情は心配をするものだったから。俺は罪悪感に包まれながらも、不自然にならないよう口を開いた。

「わかってる。早くアスナの援護に行ってやれ」

 その言葉を聞いて安心したのか綻んだ笑顔を見せ、アスナのもとに走って行った。それを確認した俺は瞼を閉じた。

(ごめんな、嘘ついて・・・・・・もしも生きて戻れたらなんでもするから)

 これからすることはカケみたいなものだ。回復力が勝るか、スキルの毒が勝るか。恐らく毒が勝る可能性の方が高いだろうが、それでもアリスを守るために、あいつに勝つためにはこれしかない。
 俺は目を見開き、麻痺が解け始めている右手をポケットにいれ、銀色の液体が入った、小さな小瓶を取り出す。スキルで作りだした非売品のポーションの一種、月の雫だ。このポーションと市販のものとの違いは回復のスピードだ。市販のものはHPを全快させるのに五分程度かかるが、この月の雫はその半分で全快させることができる。まあ、これを作るのに使用する素材は頭を抱えてしまうほどのものではあるが。
俺はその貴重品を迷うことなく一気に飲み干した。すぐに効果が表れる。HPがエクストラスキルの発動状況下でも回復していく。

(後十秒もあればギリギリ使用できる範囲まで回復するな。他にやることはキリトの回収か)

 アリスとアスナの方を見れば、ライトの高速の剣技を二人でなんとか耐えていた。あれならもう少しは大丈夫だろう。それを確認した俺はキリトの方に走り出しながら、右手を高く構えた。

「うぉぉぉおおぉおぉ!」

 気合を発するのとともにオーラで槍を作り出し、PoHに投げつけた。

「・・・・・・!!」

 キリトは背を向けていたので気づくのに遅れたが、PoHはこちらを向いていたので、さすがの反応速度で後ろに飛んで回避する。だが、それは計算済みだ。すぐさまキリトの首根っこを掴み、そのままアリス達の元へ走る。

「うわっ、リ、リオン!? なにすんだ!?」

「いいから来い!! お前のためだ!!」

 俺は騒ぐキリトを一喝すると、アリス達に叫んだ。

「二人とも下がれ!!」

 俺の声に二人は背を向けたまま頷く。アリスとアスナのHPバーを見れば、二人がかりにも関わらず、すでに五割を下回ってイエロー表示になっていた。あの数十秒でここまで削ったあのライトと言う男に寒気が走る。
 だが、その男にアリスは臆さず、鋭い気合いとともに山吹色の剣を振り上げた。

「はあっ!」

 金色の一閃は、ライトの黒い刀と衝突して火花を散らす。大音響とともにわずかなブレイクポイントをライトに作り出す。その隙に二人は俺の後ろに下がる。だが、すぐにライトが硬直から回復し、距離を詰めてくるのを見た俺は冷静にHPバーを見て、笑った。

(十分だ。もう発動条件は満たした!!)

 黒い刀が振り下ろされる直前、右手を握って拳を作り、そのまま地面に叩き付けて叫んだ。




「アルキミア・ディバージョン!!」




 
 

 
後書き
十六話目です。
えーととりあえず最初に謝罪を。ごめんなさい!!!
忙しくて書けませんでした!! それと、文章がちょっと書けなくなってしまってそれもなおさら更新が遅れる原因に・・・・・・

さて、今回の話の方に入りますが、色々詰め込んだので、わからないとこが多々あると思いますが後々明かしていきますので優しい目でよろしくです><

誤字脱字、感想お待ちしております!!

※すいません。前回戦姫と書いてましたが、正しくは戦乙姫でした。そこだけ直しておきます。
 
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