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『自分:第1章』

作者:零那
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『契約社員』

職場実習から契約社員。
此処で一応就職の形。
1ヶ月位の実習も慣れてた。
仕事もこなせれてた。
てことで、給料発生。
それなりに緊張。
給料分の責任を持つってことやろ?
でも、することは毎日殆ど変わらん。
変わるのは、毎日の発注数と、新メニュー、特注、大量注文の時くらい。


配達部署のB'zファンの男。
3つくらい上。
親が入院してる病院に一緒に来てって言うから行った。
集中治療室、外から見るだけやったけど。
勿論そんな寄り道許されん。

病院出たら必死で急いでチャリこいで帰った。
いつもゆっくり帰ってたから時間的には問題無かった。

怪しまれずに済んだけど、外で隠し事在るのはイヤやった。
いや、まぁ、断れば良かっただけやけど。

会社の人間皆が自分の立場や環境知ってるワケじゃ無い。

今回は、上から偉い人間3人、同じ部署の人間2人、零那の監視役、兼、評価役の、現場で偉い人間1人。
人数が多い此の会社で6人しか知らんかった。

B'zファンの子は、零那に色んな話をしてくれてた。
特別学級で高校卒業した事。
彼女との事での悩み。
家庭環境。
零那は聞き手になってた。
放っとけんかった。

暫くして、次は家に寄って欲しいって。


どうしても聴かせたい歌があるからって。

男女関係的なヤらしいことは無い。
そんな子じゃ無い。
至って真面目。

帰る時間があるから、行っても1曲しか聴けれんよって。
結局3曲聴いて急いで帰った。
途中、いつもの時間に帰るのは無理って解った。

『タイヤ空気抜けてるみたいやから少し遅くなる』って嘘の電話を公衆から入れた。
施設、または関係職員に見られてないことを願った。

何やってんの自分。
別に悪い事してるわけじゃ無いのに罪悪感。

悪くはない。
でも、良くもない。
ルール違反に変わりはない。
次は断ろう。
状況を把握してもらおう。
傷つけん為に。


放っとけん。
なんか...
悲しそうな顔見るんが嫌。
独りは淋しい...
それが解るから尚更...
色んな差別を受けてきた。
イタミは多少わかる。
理由は違うけど、多少なら...


昼休みと、就業後の15分位は話せる。
チャント施設出たらまた歌聴かしてって言ったら、次の日、歌を持ってきた。
昼休み、御飯の後に2人でウォークマン聴いてた。
正直、ウォークマンとか知らんかったから『何コレ!凄い!』と思った。
しかも歌詞カードも持ってきてくれてた。
なんかチョット笑えた。

就業後15分は悩みとか話を聞いてた。

 
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