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『自分:第1章』

作者:零那
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『夏休み』

自立に向けて何もしてくれん。

『今はマダそんな時期じゃない。』

苛つく。
今は無理とか...
じゃあイツなん!!

焦ってるのは解ってる筈。
日記に散々書いてる。
それなりに、日々の生活は、耐えて耐えて耐えて...
必死に真面目にやってるつもり。

透の存在が心強い。
ルール違反で付き合う形をとってる。
でも、透と付き合ってなければ、キレて暴れてると思う。
そんくらい、やっとれんって気持ちは強かった。
依存はしてない。
ただ、単純に支えになってる。
頑張らなあかん、耐えなあかんって、改めて思い直せれる。


この時期、やたらルール違反者が増えた。

でも、所詮中学生。
子供。
嫉妬心丸出し。
喋った喋らんって低レベルな事で喧嘩。
『〇〇君は私の彼氏』宣言。
手紙も捨てたくない。
証拠没収。
反省作業。

証拠は職員側も必死で探す。
登校中に児童の部屋に入る。
私物チェック。
下着や生理用品の中までチェックする。
ありとあらゆる細かいところまで隅々と探す。

其れは男職員やからとか女児童やからとか関係無い。

私物や衣類は勿論許可制。
交換や新品も職員が選ぶ。
不適切なモノは無理。
適切なモノが無ければ職員が買う。
訓練費で。




訓練費=月々500円。
県からの子。
親からの子。
それぞれらしい。
詳しくは知らんけど。
自立の支援金。

自分は前の施設居た時の小遣いは殆ど使って無い。
通帳が引き継がれてた。
勝手に色々買われてた。
それはそれでどぉなん!って思ったけど。


帰省する児童も居る。
分校も休み。
残された児童は寮生活。
寮ごとの作業時間が増える。

自由時間はあるけど団体やから自由にはならん。


寮生活で、集団で居る時間が増えると、揉め事も増える。
喧嘩も絶えん。
言った言わん。
したしてない。
隠し事もチクる。
無視する。
食事配膳差別。
女は汚い。
醜い。
姑息。
ガキ。


外の世界での行事もある。
新入生も来る。
実習生も来る。
県外の教護院職員が体験?勉強?しに来る。

外の人間が来たり、関わったりすると必ず問題が起こる。
無神経やから。
苛立つ。
平穏が無い。
ストレス。
限界を感じる。
実習生やか何週間も居るから尚更うっとい。

県外教護院職員に関しては『此処めっちゃ厳しいね―っ!私でも耐えれんわぁ!』って。
馬鹿?
其れ、耐えて生活してる児童に向かって言う神経は異常だろ。
よぉ職員なれたわ。
呆れる。
笑える。


殴りたくなる。

寮長に言う。

『あの人の発言どうにかささな何してまうか解らんで』


今後の方針も、日記で訴え続ける。
それでも一貫した返事。

『まだ外の世界は不安』

『まだ外に出せる人間性じゃ無い』


まぁでも確かに。
焦りしかないし安定はしてない。
あかんって自覚はある。
でも、このまま...
作業して、行事こなして、同じ事繰り返す生活してても、意味が無いとしか思えん。


此処に来てからはカウンセリング系は一切無くなった。
心理士が常在してないから?
たまに、全員が一斉に何らかのテストを受けるけど。
それだけ。


帰省して、寮に帰ってきたら、まず持ち物検査。
クッションやヌイグルミは中身迄チェックは当たり前。
同室の子は色んなモノ持ち込んで怒られてた。


でも、ある意味賢かった。
敢えてソッチに目を遣る。
で、実は身につけてる下着に現金隠し持ってた。

外に通うエリート高校生。
これもまた巧いこと外で息抜きしてるのが事実。
それを知ってたその子。

エリート高校生に現金を預ける。
タバコと火を買ってきてと頼む。
管理もしてもらう。
高校生の部屋はチェック入らんから。
吸う時に1本貰う。
問題は何処で吸うか。
夜中のトイレしかない。


2人で吸い回し。
勿論、トイレ内の煙やニオイですぐバレた。
馬鹿や...
でも、間抜けすぎて笑えた。
勿論、反省作業。


なんだかんだと夏休みは作業中心で終わっていく。


 
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