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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第三十九話 Marine Base

 
前書き
エックスが新たな力、Xブレードを使い、キバトドスを下した。
次はゼロが挑む 

 
ゼロはハンターベースを出るとダブルから通信を来る。
通信を繋げるとダブルの嬉々とした声が聞こえた。

ダブル『ゼロ隊長、先輩達がキバトドスとドラグーンを倒したデシ!!』

ゼロ「そうか…エックス達が…」

それはハンター側にとっては朗報だろうが、今この瞬間にも心を痛めているであろうアイリスを考えると胸が痛む思いだ。
しかしドラグーンが裏切った理由が分からない。
確かにドラグーンの気持ちは分からないでもない。
強い敵と戦いたいという欲求はゼロとて持っている。
ゼロも自覚する自分とエックスとの最大の相違点。
それは戦闘という行為自体の是非に関する認識だ。
例え幾度の戦いで勝利を重ねようと戦闘という手段への嫌悪感を捨てる事の無かったエックスに対し、ゼロのスタンスは対照的だ。
ゼロは決して戦いを否定しない。
そればかりか何処かでそれを好んでいる節があるのも自覚している程だ。
しかしドラグーンはシグマと同じ最古参のイレギュラーハンターで、ハンターとしての矜持は当然極めて高いものがある。
その彼がそう簡単に裏切るというのは考えられなかった。

ゼロ「……考えていても仕方がない。今はレプリフォースを止めなくては…」

そう言うとゼロは真新しい新型ライドチェイサー・アディオンに跨り、起動キーを差し入れる。
このアディオンは初期型ライドチェイサー・チェバルを元にケイン博士の手でフルチューンされた最新型であり出力を極限にまで強化した物だ。
チェバルは加速性能は悪くないが火力や機体の耐久力に難があるために新型の制作が求められていた。
それがこのアディオン。
高出力バスターや推進力にも利用される反重力ドライブを応用した周囲の空間を歪める事で触れるもの全てを寸断するドライブブレード等の武装が追加されている。
しかしその余りの高性能さ故に、乗りこなせる人物はエックスやゼロ、ルイン等の一部の特A級ハンターに限られており、このハンターベースにも数台が配備されているに過ぎない貴重な機体だ。
他にはレプリフォースの操作性を考慮してアディオンをデチューンし、スペックダウンさせたハーネットが存在する。
しかしいくらスペックダウンしたとはいえチェバル以上の加速性能の耐久力を備えているため、ハンターベースのA級にはレプリフォースから支給されたハーネットが配備されている。
B級とB級以下はチェバル。
A級と特A級はハーネット。
一部の特A級にはアディオンと、このような配備がなされている。
ゼロはアディオンを操縦し、ジェット・スティングレンがいる場所へと向かう。
ジェット・スティングレンはレプリフォース海軍に所属するエイ型レプリロイド。
軍を誇りに思っており、ジェネラルやカーネルを理想の軍人として尊敬している。
反乱と同時に都市の地下動力部を破壊し、大混乱に陥れた後に海へと脱出したらしい。
ゼロはアディオンの最高加速でスティングレンを追い掛ける。






































スティングレンは都市の地下動力部を破壊し、海に脱出して部下と合流するために動いていたが、突如、凄まじいエネルギー反応を感知し、背後を見遣ると…。

スティングレン「ゼロか…」

ゼロ「スティングレン!!」

スティングレンに向けてアディオンに装備されたバスターを放つ。

スティングレン「チッ!!」

舌打ちしながらスティングレンは旋回しながらバスターを回避する。
何とかゼロを突き放そうとするが、追撃してくるアディオンの速度も尋常ではない。
元来が乗り手の事等全く考慮に入れてない規格外の怪物マシーンだ。
同型機ながら操作性を考慮してスペックダウンさせたハーネットなど比較にならない速度でみるみるうちにスティングレンとの間を詰めていく。

ゼロ「墜ちろ!!」

ウィリー状態から反重力ドライブで加速しドライブブレードを繰り出してくる。
スティングレンはそれを回避しながらエイ型のメカニロイドの放つ。

スティングレン「グランドハンター!!」

ゼロ「何!?」

アディオンに向かって来るメカニロイドに目を見開くが、直ぐに冷静さを取り戻し、バスターで迎撃する。

「スティングレン殿を援護しろ!!」

「これ以上はやらせんぞ!!」

その背後から追い縋ってきたスティングレンの部下が乗るハーネットがゼロに向けてバスターを乱射する。

ゼロ「ちっ!!」

後続の攻撃をギリギリで躱しながら靡く金髪の向こうでゼロが舌打ちしたのがスティングレンからは見えた。
ゼロはアディオンを緊急停止させる。

スティングレン「!?」

予想だにしないゼロの奇行にスティングレンは目を見開き、後続の部隊は対応出来ずにゼロを追い越す。
それをゼロがバスターを放ち、ハーネットを撃ち抜いた。
撃ち抜かれたハーネットは操縦者を巻き込んで爆散する。
彼らはそうやってデッドヒートを繰り広げつつ、遂に海上工廠へと辿り着く。
スティングレンはゼロに先んじて工廠の中へと潜り込むと、追撃してくるゼロを迎え撃つべく待ち構える。
そしてゼロが姿を現した。

ゼロ「お前がこの部隊を指揮しているジェット・スティングレンか」

アディオンから降り立ったゼロが鋭い双眸をスティングレンに向ける。

スティングレン「そうだ。よくも俺の部下をやってくれたな。部下の仇を討たせてもらうぞ」

ゼロ「スティングレン、お前は今回の戦いに何の疑念も無いのか?」

スティングレン「………」

ゼロの問いにスティングレンは閉口して黙り込んでしまう。
今回の戦いはスティングレンも多少の疑念を抱いていた。
実際彼はいくら戦争とはいえ、彼は護るべき人間達のライフラインを遮断することに最後の最後まで悩んでいたのだから。

スティングレン「…今更後戻りは出来ん。それに我々が間違っているのかそうでないのかは後世の歴史が決めること…。今は軍の誇りにかけて貴様を…倒す!!」

ゼロ「スティングレン…」

スティングレン「お前も己の信念に従い、戦っているのだろう?ならば迷うな、戦場で迷いを見せた者にあるのは“死”のみだ。俺はカーネル殿やジェネラル殿への忠誠のために戦う。ならばお前も俺を倒し、お前の正義を証明してみろ!!」

ゼロ「そうか…お前の忠誠心、しかと見た。ジェット・スティングレン!!お前を倒す!!」

スティングレン「でやああああ!!」

背部のジェットをフルに加速させ、ゼロに真正面から体当たりを喰らわせようとするが、ゼロはそれを回避しながらセイバーを振るうがスティングレンは剣筋を見切り、回避した。

スティングレン「グランドハンター!!」

再びスティングレンはゼロにむけてエイ型メカニロイドを放つ。
それをかわしながらゼロはセイバーでメカニロイドを破壊するが、スティングレンの姿がどこにもないことに気づく。

ゼロ「何処だ…」

スティングレン「隙あり!!」

ゼロ「何!?」

砂に身を潜めていたスティングレンは地中からゼロに体当たりを喰らわせる。

ゼロ「がはっ!?」

まともに受けたゼロは水中であることが災いし、大きく浮き上がる。
そしてスティングレンはバスターをゼロに向け、バスターから放たれた巨大な渦がゼロを一気に飲み込んでいく。
地上でこそ俊足を誇るゼロも近距離から放たれた攻撃を避ける事も敵わず、まともに喰らい、再び体当たりを受け、弾き飛ばされる。

スティングレン「他愛も無い。地上では無敵を誇ろうと所詮は地上用レプリロイド。水中ならばこのスティングレンの敵では無い!!」

再びスティングレンは弾丸の如き勢いで飛び出すとゼロに向かって体当たり攻撃を仕掛けてくる。

スティングレン「さらばだゼロ!!海の藻屑と消えるが良い!!」

ゼロ「ぐはぁっ!!」

床壁に強かに叩き付けられたゼロが力なく項垂れる。

スティングレン「…終わったか…?いや…」

カーネルが好敵手と認める相手がそう簡単にくたばるわけがない。
事実、ゼロは再び起き上がり、スティングレンを見据える。
先程以上の力強さを持って。

ゼロ「俺は負けん…エックス達のためにも…アイリスのためにもな…!!」

Zセイバーを杖代わりに立ち上がり、スティングレンを睨み据える。
スティングレンもゼロの闘志に応えるかのように力を迸しらせる。

スティングレン「いいだろう。この一撃で終わらせてやろう!!」

高速回転しながら背部のジェットをフル加速しながらゼロに突進するスティングレン。
ゼロはそれをかわしながら、反撃しようとするが、スティングレンのスピードが早過ぎて捉えられない。
真空刃か夢幻で迎撃しようにも、セイバーを振るう隙も、分身を放つ暇すら与えてくれない。
エックスとルインならバスターで迎え撃てるだろうが、今の自分にはバスターがない。

ゼロ「(こんなことになるなら、バスターの修理を急がせれば良かったな…無いものねだりしても仕方ないが……)」

現在ではケイン博士と時間の空き間を見て、手伝っているルインが修理しているバスターのICチップ。
何とか急造品の域は出ないものの、使用可能な段階まで来ていた。
しかし修理を待てないゼロはチップを受け取ることなく出撃してしまった。
自分の無鉄砲さに思わず苦笑してしまった。

ゼロ「(目に頼るな…目で見ようとするから対処出来なくなる。ならば…)」

ゼロは目を閉じると感覚を最大限まで研ぎ澄ませる。

スティングレン「とどめだゼロ!!」

目を閉じたゼロを見て、観念したと思ったのか、スティングレンはゼロに突進する。
そしてゼロは跳躍し、セイバーを下に構える。

ゼロ「氷烈斬!!」

スティングレン「ぐああああ!!?」

氷の刃をスティングレンのジェットに叩き込み、破壊する。

ゼロ「これでご自慢の水中での機動力は失ったも同然だ!!」

スティングレン「ぐっ!!」

ゼロ「これで終わらせる!!落鳳波!!」

地面に拳を叩きつけ、周囲全域にエネルギー弾を放つ。

スティングレン「がああああっ!!」

まともに受けたスティングレンは上空へ打ち上げられる。

ゼロ「龍炎刃!!空円斬!!」

龍炎刃でスティングレンを切り付けると、周囲の壁とダブルジャンプを使い、スティングレンに回転斬りの連撃を喰らわせ、スティングレンの身体を足場代わりにし、スティングレンの真上に移動し、セイバーを下に構えた。

ゼロ「氷烈斬!!」

氷の刃はスティングレンの装甲を容易く貫き、動力炉を破壊した。
動力炉を破壊されたスティングレンは爆散し、それを見届けたゼロはスティングレンのDNAデータを回収する。

ゼロ「ミッション終了。転送してくれ」

ダブル『了解デシ』

ゼロは簡易転送装置を使い、ハンターベースへと帰還する。 
 

 
後書き
スティングレン撃破。
一応X4でもゼロはバスターを使えるように設定しようと思いますが、性能はX5に準ずる設定。

特殊武器・必殺技入手

ゼロ必殺技

飛燕脚・岩砕刃

飛燕脚は原作同様にエアダッシュ。
岩砕刃はグランドハンターと同性能の地を走る衝撃波をセイバーから繰り出す対地技。
元ネタはロクゼロ4の氷月刃やX7の斬光輪。

エックス特殊武器

グランドハンター。

通常・チャージ版、原作に準ずる。

ルイン特殊武器

グランドハンター。

エックスと同性能。

ルイン必殺技

岩砕刃

ゼロと同性能。 
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