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強さのみを

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第四章

「どうでしょうか」
「わからないか、そこは」
「まあワープの旦那は確か今も保安官でやんすね」
「ああ、そうらしいな」
「一度ワープの旦那にお会いしてみますか?」
 フィルダーはこうホープに提案した。
「そうしやすか?」
「そうだな、機会があればな」
「ええ、お会いしてみましょう」
「そうするか」
「はい、それじゃあ」
 こうした話もした、そしてだった。 
 ホープは仕事を続けた、そしてアープが保安官を務めている町に着いた時だ。フィルダーはすかさず彼に言った。
「兄貴、前に言ったことですけれど」
「ああ、アープに会ってだな」
「それでどんな人か見てみましょう」
「それがいいな」
「目標にする人なら」
 それならばだというのだ。
「会ってどんな人か確かめて」
「そうしてだな」
「どう超えるのかを考えやしょう」
「チャイナの言葉だったな」
 ここでホープはこうも言った、二人は今は馬を降りて砂の中にある町を見ている。
「相手を知ってな」
「自分も知ってこそ、でやんすね」
「ああ、そんな言葉があったな」
「そうでやんす、ですから」
「あいつに会ってな」
「お話をしてみまして」
「あいつを知ることか」
 ホープは強い光を放つ目で言った。
「そうか」
「はい、それじゃあ」
 フィルダーが勧めてだ、そしてだった。
 二人は近くを通った町の人間にだ、こう尋ねた。
「ここにワイアット=アープがいるな」
「保安官だそうでやんすね」
「ああ、そうだよ」
 背の高い日に焼けた顔の男だった、男はこう二人に答えた。
「あんた達も保安官さんに会いに来たんだね」
「西部の有名人の一人でやんすからね」
 フィルダーが男に笑って答えた。
「是非にも思いやして」
「そうだよな、保安官さんならな」
「何処にいるでやんすか?」
「この時間は酒場にいるさ」
 そこにいるというのだ。
「それでバーボンを飲んでるよ」
「そうか、ならな」
「ああ、今日はならず者も来ていないし牛泥棒もいないからな」
 それで、というのだ。
「バーで飲んでるよ」
「わかった、ではそこに行く」
 ホープは鋭い目で言った。
「これからな」
「そうさせてもらうでやんす」
「それじゃあな」
 笑ってだ、そしてだった。
 二人はその町のバーに行った、店は西部によくある木造のあちこちに隙間があるいささか雑な造りである。
 だが二人は店のそうした雑な造りは気にしなかった、そしてだった。
 店の中に入りだ、すぐにこう言った。
「ワイアット=アープはいるかい?」
「ここにいるって聞いたでやんすが」
「何だ?」
 店の入口の扉を開けて聞くとだ、早速だった。
 二人用の席の一つから声がしてきた、見ると。
 口髭を丁寧に切り揃え髪の毛を後ろに撫で付けた細面の端正な顔の男がそこにいた。黒い上着とチョッキ、それにタイをしていて。
 ズボンも黒だ、その黒づくめの男がブリキのコップを手にしていた。
 その彼を見てだ、ホープはこう言った。
「あんたがワイアット=アープだな」
「そうだと言えば?」
「あんたに会いたいと思っていた」
「勝負をしに来たのかい?」
「いや、話をしに来た」
 そうだとだ、ホープはそのアープに答えた。 
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